2026年4月7日、旭テクノロジー(以下、ATCL)は、西日本旅客鉄道と駅施設の検査業務を効率化する検討を行ったことを発表した。駅舎屋根や外壁、跨線橋などを対象に、ドローンの自動航行により同一ルート・同一角度で繰り返し撮影する再現性の高い撮影と、画像解析による劣化箇所の自動抽出の有効性を検証した。

 従来、駅施設の維持管理は人力による目視点検が中心であり、広範囲な検査業務に膨大な時間を要していた。また、劣化度の判定は実施者の知識や経験によるばらつきがあり、データ整理の手間やシステム同士の連携も課題であった。少子高齢化に伴う人材不足と設備の高経年化が進む中、新技術を活用した生産性向上の仕組みづくりが求められている。

写真:駅舎、旅客上家、跨線橋

 この検証では、駅設備ごとに定められた点検項目・判定基準を踏まえ、撮影条件を整理した上でドローンの自動航行により屋根や壁面などの対象物を撮影し、画像解析を行うことで劣化箇所を抽出した。あわせて、自動航行によるデータ収集が点検業務の効率化や同一ルート・同一角度での撮影再現性の確保に有効であるか、画像解析に必要な品質を満たした画像が取得できるかを検証した。

 検証の結果、ドローンの自動飛行と画像解析を組み合わせた手法が、駅施設の検査業務の効率化に有効であることを確認した。現場条件を踏まえた運用下でも、撮影から画像解析までの一連の流れが途切れずに機能した。

写真:屋上防水、跨線橋屋根、跨線橋外壁

 建物周辺の架空線や障害物と適切な離隔を確保する自動飛行ルートを設定し、所定の安全距離を維持した自動航行が可能であることを確認。自動航行では毎回ほぼ同一のルート・位置から撮影できるため、パイロットの腕や経験に依存せず同条件・同構図の画像を継続的に取得できる。経年比較の精度向上や再撮影の抑制による点検業務の効率化に寄与することが示された。

あらかじめ設定した自動飛行ルートを飛行するため、パイロットの腕に依存せず、誰がパイロットでも毎回同じルート・位置にて撮影が可能

 画像解析では、目視で確認される発錆箇所をおおむね検出できることを確認した。また、暗部やコントラストが低く検出が困難なケースでも、コントラスト補正や輝度補正等の中間処理(画像前処理)を付加することで精度が向上することがわかった。

元画像、中間処理、さび検出画像

 外壁のひび割れ検出では、画像解析によりひび割れを含む変状箇所を大まかに抽出できた。抽出結果に対して追加の解析処理を行うことで、さらに明瞭に捉えることが可能となる。これらを組み合わせることで、ひび割れの検出精度を向上させることが示された。

検出した壁面などのひび割れ

 今回の検証では、建物検査業務の現地データ収集にドローンを活用することで一部代替が可能となり、ドローンで撮影した写真を画像解析して劣化箇所を抽出できることがわかった。今後、現場や内業の効率化を図るため、安全性を担保したドローン撮影から画像解析、データマネジメントや既存システムとの連携などの仕組みの構築を目指す方針だ。

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