2026年4月10日、ACSLは国産小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」の定期アップデートを実施したことを発表した。
2021年12月の受注開始以降、インフラ点検や災害時の状況把握、測量、見守りなど、さまざまな現場でSOTENは活用されてきた。顧客からのフィードバックをもとに年数回の定期アップデートを実施しており、今回のアップデートでは送電線・鉄塔点検や工事現場など、磁場の影響を受けやすい環境での運用における安全性の向上、自動飛行機能・操作画面の改善による運用性向上を図っている。
強い磁場が発生しやすい送電線・鉄塔付近や、地面に敷設された鉄板などの影響を受ける工事現場では、飛行が不安定になるケースがある。今回のアップデートでは、磁場の乱れに対応するための磁気キャリブレーション機能を強化。オートモードによる計画飛行中に磁場のずれを検知した場合は、機体が自動的にキャリブレーションを行い飛行を継続する。これにより飛行の不安定化を抑え、点検作業などを中断することなく飛行を続けることができる。また、計画飛行以外の操縦モードでも、磁場のずれを検知した際に注意メッセージを表示し、操縦者が機体を空中で360度回転させることで飛行中にキャリブレーションを行える機能を追加した。さらに、飛行前に実施する磁気キャリブレーションの判定ロジックを改善し、飛行準備時の負担を軽減した。
自動帰還機能の作動時に、あらかじめ設定した飛行禁止エリアを考慮した最短帰還経路を自動で算出し、回避しながら帰還する機能を追加。
また、操作画面のUIを改善し、FPV映像へのグリッド表示機能と座標位置のUTM表示機能を追加した。
FPV映像へのグリッド表示機能は、点検時に被写体との位置関係を把握しやすくなり、送電線や構造物などの確認作業をより正確に行うことができる。なおこの機能は、点検用途での需要が多い米国市場からのフィードバックを受けて改善したものとなる。座標位置のUTM表示機能は、防衛分野などで利用されているUTM座標での表示に対応し、現場間や組織間での位置情報共有を容易にする。
SOTENは、高性能・高セキュリティな小型ドローンの開発を目的とした、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)公募の「安全安心なドローン基盤技術開発」事業により完成したドローンで、ISO15408(コンピューターセキュリティのための国際規格)に基づくセキュリティ対策を施し、データの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を備えている。
今回のSOTENのアップデートのように、顧客の意見を取り入れて製品の安全性や運用性を継続的に高めていく取り組みは、ACSLの中期経営方針「ACSL Accelerate FY26」の重点戦略の一つである「先端技術による機体進化」に基づく重要な施策となる。こうした製品進化を通じて信頼性と現場適応力を強化し、中長期的な成長戦略を支える基盤を構築していく方針だ。
