2026年4月20日、アキュイティーとLiberaware(以下、リベラウェア)、管清工業、日水コン、千葉市は、国土交通省が実施する2026年度「上下水道一体革新的技術実証事業(AB-Cross)」に共同提案した「No Entry実現に向けた概略点検・詳細点検併用型ドローン×AI実証事業」が採択されたことを発表した。
この実証では、下水道管路内の狭小空間や高水位環境に対応可能なドローン「IBIS2」を活用し、管内映像の高精細化とAI解析技術を組み合わせることで、下水道管路の劣化状況を高精度かつ効率的に把握できる点検技術の確立を目指す。さらに、航続距離の延伸や耐環境性能の向上により長距離管路や調査困難区間への適用拡大を図り、No Entry(人が下水道管路内に立ち入らない点検・調査)実現に貢献する。
下水道管路点検では、調査困難区間への適用や安全性向上の有効な技術としてドローンの導入が進みつつある。一方、現行のドローン点検は映像による状態把握が主であり、クラック幅や劣化進行度を数値として評価する定量診断や異状箇所の高精度な位置特定には技術的制約があった。
IBIS2とAI技術を基盤として、クラック幅の定量計測機能と自己位置推定機能の高度化を中核に、調査困難区間への適用拡大と診断精度の向上を図ることで、下水道管路点検の無人化・省力化および標準技術化を目指す。
下水道管路内のNo Entry実現は単なる効率化ではなく、リスクを排除するとともにインフラの健全性を定量的なデータで正しく把握するための取り組みとなる。
主な技術的特徴
No Entryを実現する飛行型ドローン
- 狭小空間・高水位環境での安定飛行
- 長距離(最大1,000m級)管路への対応
- 防水・耐環境性能の強化
- 微細クラック(幅2mm)の定量計測
自己位置推定による高精度(※)な異常特定
- 異状箇所の位置を高精度に特定
- 補修計画の高度化
- 再調査工数の削減
※TVカメラ調査などの既存技術と同等以上の精度
AIによる定量診断の実現
- AIによる劣化判定の高度化
- 点検品質の均質化・標準化
3次元解析による管路状態の可視化
- SfM・AIによる管内3Dモデル生成
- 断面変形・堆積状況の把握
- データドリブンな維持管理の実現
実証技術内容
- 微細クラック(幅2mm)の安定的数値化
- 異状箇所位置の延長誤差±5%以内での特定
- 単回飛行1,000m級への航続距離延伸
- 狭小・高水位環境での安定飛行性能向上
- 管内断面形状の定量把握機能の実装を段階的に高度化
計画
- フェーズ1
千葉市の実管路において「IBIS2」の現状性能(飛行安定性、航続距離、映像品質、位置推定精度等)を定量把握し、技術的制約要因を明確化。 - フェーズ2
抽出された課題に基づき機体・制御・撮影・解析機能を高度化し、再度同等条件下で実証を実施。
