ANAホールディングス(以下、ANAHD)は、ドローン事業の2027年商用サービス開始に向けた取り組みの一環として、2025年10月19日から2026年1月29日まで、沖縄県において大型VTOL固定翼ドローンを活用した医療用医薬品および研究用血液の長距離配送検証を実施した。

写真:固定翼ドローン

 この実証は、国土交通省「ドローン配送拠点整備促進事業」に採択されたもので、糸満市と久米島町(約100km、1時間4分)および、糸満市と名護市(約89km、1時間1分)を結ぶ2つのルートを運航した。

 平常時の運用想定では、定温輸送技術を搭載したドローン用配送箱を利用し、オンデマンドで医療用医薬品や研究用血液をそれぞれ複数種類混載して配送した。ドローンを活用することで、地理的条件により即応性が課題であった地域への輸送時間を短縮できる。災害時の運用想定では、沖縄県総合防災訓練に参加し、県災害対策本部と航空運用調整を行い、久米島病院への緊急配送時の運用フローを確認した。この結果、平常時も災害時も対応可能なドローン配送モデルの有効性を検証することができた。今後、この成果をもとに関係各社や自治体等と実用化を検討していく。

 また、ANAHDは今回の検証で運航した大型VTOL固定翼ドローンを製造する米国のSkyways Air Transportation(以下、Skyways)と、APAC地域でのサービス検討に向けた長期的な業務提携契約を締結した。自社内でSkyways専用の操縦士を育成・認定できる体制を確立したことで運航サービスの拡張性を確保し、実証段階から商用レベルの本格展開へ検討を進める。

写真:海上を飛行する固定翼ドローン

【Skyways V2.6 機体諸元】

寸法約280cm×約564cm(9.17フィート×18.5フィート)
機体重量約70kg(156.3ポンド)
最大航続距離724km
最大有用搭載量13.6kg
運用速度97.2km/h

実証実験の概要

【配送シナリオ・配送物】

  • 災害想定:糸満市離着陸場から公立久米島病院までの医療用医薬品
  • 平時想定:医薬品卸倉庫から沖縄県立北部病院・公立久米島病院への医療用医薬品(保冷・室温)
  • 平時想定:沖縄県赤十字血液センターから久米島兼城港湾花咲地区への研究用血液(赤血球・新鮮凍結血漿)

【配送期間】

  • 2025年10月19日(日)
  • 2025年12月4日(木)~12月5日(金)、2026年1月28日(水)~1月29日(木)
  • 2026年1月23日(金)~1月24日(土)、27日(火)

【飛行区間】

  • 沖縄県糸満市喜屋武漁港~沖縄県島尻郡久米島町兼城港湾花咲地区
  • 沖縄県糸満市喜屋武漁港~沖縄県名護市21世紀の森ビーチ・沖縄県島尻郡久米島町兼城港湾花咲地区
  • 沖縄県糸満市喜屋武漁港~沖縄県島尻郡久米島町兼城港湾花咲地区
飛行経路

【各者役割】

沖縄県ドローン配送社会実装推進協議会ANAホールディングス、沖縄県、名護市
血液分科会伊藤忠商事、沖縄県赤十字血液センター、沖縄赤十字病院、沖縄県立北部病院、スギヤマゲン、東京都立墨東病院
医薬品分科会沖縄県立北部病院、ダイコー沖縄、琉薬、公立久米島病院、武田薬品工業、喜納AGSカーゴサービス
災害分科会糸満市秘書防災課、日本医療防災技術研究所、沖縄県知事公室消防防災対策課、琉薬、久米島町消防本部、久米島町役場総務課・企画財政課、公立久米島病院、武田薬品工業、那覇市消防局