そらいいなは、2026年2月19日、⾧崎県五島市富江町において、エリア単位で許可・承認を受けたドローンのレベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)による医療用医薬品配送の実証実験を実施した。2025年11月の新上五島町に続き、2025年度2回目の飛行実証となる。

写真:飛行するドローン
富江港から離陸するドローン

 同社は、2022年4月から⾧崎県五島市に事業拠点を設け、固定翼型ドローンを用いたレベル3飛行(無人地帯における目視外飛行)により、主に五島市、新上五島町向けに医療用医薬品などを配送している。

 前回の実証と同様にエリア単位でのレベル4飛行の許可・承認を取得し、軒先配送のあり方を調査・検討するとともに、実際のドローン飛行を伴う配送実証を実施した。また今回は、エリア単位でのレベル4飛行許可・承認を取得する際に課題となる調査について、エリアを包括する上での考え方および従来手法の代替手段について協議してきた。

【課題となる調査】

  • 上空の電波強度の事前調査
    検証事項:上空電波強度シミュレーションを用いた評価
  • 地上リスク評価に際する交通量調査
    検証事項:エリア内の代表地点(調査実施場所)の考え方および代替手段

 上空の電波強度の事前調査について、今回の飛行場所ではシミュレーションによる評価結果と実機での観測結果に一定の相関関係を認めた。

 地上リスク評価に際する交通量調査では、エリア単位で飛行する場合の地上リスクの特定にあたり、国勢調査のデータをもとに人口密度が最も高いエリアを確認したほか、現地の事前確認も踏まえて、人や車両の通行量が最も多い場所で調査を行い地上リスクを検討した。また、交通量調査を行う場所の選定にモバイル通信データを一定程度活用できることがわかった。

 そらいいなは今後もエリア包括でのレベル4飛行の許可・承認が可能な事例等の整理に取り組むとしている。同社はレベル4飛行による軒先(屋上)配送を実装することで利用者の手間や時間を削減し、気軽に利用できるドローン配送サービスを目指す方針だ。

実証概要

 今回の実証では、将来的な固定翼機での軒先配送を視野に、従来の固定翼機とレベル4飛行が可能なマルチコプター機を組み合わせた配送を実施した。

 五島市富江町で運用中の投下場所まで固定翼機で運び、同地点で荷物をマルチコプター型ドローンに載せ替えたのち、エリア単位でのレベル4飛行許可のもと市街地上空を飛行し、富江病院の屋上まで実際の注文に基づいた医療用医薬品を配送した。

空撮画像に示された飛行ルート
実証での配送経路
エリア包括飛行許可範囲の空撮画像に示された、250mメッシュで色分けされたた人口(総数)と飛行経路
エリア単位でのレベル4飛行の許可・承認範囲および代表飛行経路

 今後、載せ替えなしでの軒先配送を実現するため、固定翼機のレベル4飛行に向けた対応を進めるとともに、エリア単位での飛行許可・承認申請過程の合理化に向けて国土交通省航空局と協議を進める。

写真:ドローンが屋上に着陸しようとする様子
富江病院の屋上に着陸するドローン

 この実証は、内閣府が新技術実装連携”絆”特区を対象とした「令和7(2025)年度 先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」の一環として、⾧崎県、五島市、⾧崎県富江病院の協力のもと、ACSL、医薬品卸4社と共同で実施した。

そらいいな全体取りまとめ、規制・制度改革案協議、配送オペレーション
ACSLレベル4飛行対応機体提供、レベル4飛行オペレーション
⾧崎県規制・制度改革案協議
五島市配送実証連携・協力、レベル4配送場所提供
⾧崎県富江病院
翔薬医療用医薬品配送協力
東七
藤村薬品
宮崎温仙堂商店
NTTドコモビジネス包括エリアにおけるLTE上空電波シミュレーション
ドコモ・インサイトマーケティングモバイル空間統計提供

使用機体

ACSL製「PF2-CAT3」

写真:ACSL製「PF2-CAT3」
機体名ACSL製「PF2-CAT3」(第一種型式認証取得機体)
外寸1,174mm×1,068mm×601mm(プロペラ含む)
機体重量8.8kg
最大飛行時間17.5分(最大離陸重量時)
最大離陸重量9.8kg
積載量最大1.0kg
最大飛行速度水平10m/s(36km/h)、上昇3m/s、下降2m/s


Zipline製「Sparrow」

写真:Zipline製「Sparrow」
機体名Zipline製「Sparrow」
外寸翼⾧3,300mm、機体⾧1,900mm
最大飛行距離往復160km(拠点を中心に半径80km)
最大離陸重量21.0kg
積載量最大1.75kg
最大飛行速度100km/h