奈良県野迫川村、セイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、NEXT DELIVERYは、2026年1月21日、野迫川村において地域インフラを維持する「準公共化」モデルの実証実験を実施した。
野迫川村では、人口減少や高齢化、ドライバー等物流の担い手不足による物流インフラ維持困難が課題となっている。この事業は野迫川村地域物流協議会が主導し、準公共化モデルとして複数の物流事業者の荷物を集約して運ぶ「共同配送」と、山間部のラストワンマイルを担う「ドローン配送」をかけ合わせた「新スマート物流」を最終目的とする。
その一環として今回、発災時の対応と住民サービスとしてドローン配送を行った。
物流業界ではネット通販等により宅配荷物が増加する一方、労働時間制限やドライバーの高齢化により担い手不足が課題となっている。特に、離島や山間部過疎地域では将来的な物流サービス体制の維持が困難になると予想されている。野迫川村は、離島を除けば日本で最も人口が少ない自治体の一つであり、物流体制維持困難地域として新たな物流を支えるインフラ構築が求められている。
こうした課題に対し、地域物流を再構築し、新たな地域インフラとして準公共化モデルの構築を検討するため、野迫川村地域物流協議会の主導のもと各者が連携し、共同配送とドローン配送を掛け合わせた実証実験を実施した。
2026年1月21日、旧野迫川中学校と旧今井小学校間の片道8.3km(約17分の飛行)のルートで配送飛行を往復で実施。使用機体は物流専用ドローン「PF4」。配送物は生鮮食品や飲料等(防災備蓄)、野迫川村の広報誌。
現地での機体管理と補助者業務、遠隔運航管理(山梨県小菅村)はNEXT DELIVERYが行い、運航管理システムを使った配送予約と荷物の搭載はくれよんが実施。両者が連携してドローンの自動遠隔運航を行った。
実証では、住民生活の向上、共同配送の実現性、ドローン配送について検証を行い、効果を確認した。
【各者役割】
| 奈良県野迫川村 | 野迫川村地域物流協議会として共同配送の主導、住民への理解醸成、場の提供 |
| セイノーHD | 共同配送のコーディネート、ラストワンマイル物流サービス・配送ノウハウの提供 |
| NEXT DELIVERY | 新スマート物流の社会実装のノウハウ、運航オペレーションにおける遠隔運航と全体管理 |
【検証項目】
- 住民生活の向上
- ルート策定:発災時の支援物資の航路作成。
- 買い物代行業務:買い物代行サービスのニーズ調査。
- 共同配送の実現性
各物流会社との目線合わせとフェーズフリー実現の可能性の検討。 - ドローン配送
- 効率性:陸送と比較し、どの程度の時間とコストを削減できるか。
- 地域住民の生活レベル向上:ドローン輸送による、移動距離の削減と高齢者の免許返納に対する解決策としてのユースケース。
- ドローンの有効活用ケースの特定:どのような状況下(少量の荷物、緊急配送、陸路が通行止めの場合など)でドローンが最も有効に機能するかを分析。
今後3者は既存のトラック配送(陸送)とドローンを効率的に組み合わせた持続可能な地域物流モデルである新スマート物流の体制構築を目指す。まとまった荷物を陸送で効率的に運搬し、配送困難エリアや緊急性の高い荷物のバックアップにドローンを活用することで、地域全体の物流コストを抑えながら持続可能な配送網の確立を図る。
また、この体制をベースに、日常的には近隣小売店と連携した買い物代行サービス等を実施しながら自治体とも連携し、準公共化に向けた本格運用と、災害時にも機能する物流ネットワークとして地域社会への実装を目指す。
