2025年12月16日、テックファームはアミューズと共同で、ドローンポート「DJI Dock 3」を活用した自動追従ドローン撮影サービスの実証実験(PoC)を開始したと発表した。体験者の動きをドローンが自動で追従・撮影し、テックファームが開発したAI編集ロジックで約90秒のショートムービーを自動生成する。

 PoCでは、アミューズが運営するウォーターアクティビティブランド「HOBIE BASE(ホビーベース)」の西湖拠点において、次世代の体験型コンテンツの創出に取り組む。ドローンが追従して利用者を撮影し、迫力ある映像を自動生成することで、単なる記録映像ではなく感情や臨場感といった体験価値の可視化を目指す。この取り組みにより観光資源の新たな魅力を引き出し、地域の活性化につなげたい考えだ。

HOBIE BASEのイメージ画像、湖でカヤックに乗る人々

 テックファームは開発パートナーとして、ドローンの自律運航システムやAI編集技術を提供。PoCにおいて、撮影データから笑顔や手を振るなどの特徴的なシーンを自動検出し、約90秒のハイライトムービーとして編集するAI自動編集・構成ロジックを開発した。

 両社はPoCを通じて得た知見をもとに、HOBIE BASEブランドでの商用サービス化や、他の地域での展開を視野に入れて共同開発を進める方針だ。

写真:ドローンポートDJI Dock 3と飛行するMatrice 4D/4TD
DJI Dock 3とMatrice 4D/4TD

 撮影に使用したDJI Dock 3と産業用ドローン「Matrice 4D/4TD」は、手動操縦に加え、遠隔から離着陸や飛行制御を行うことで、アクセスが難しい地域や広域エリアでも柔軟な運用が可能となる。また、遠隔運航を前提としたソフトウェア開発やシステム拡張が容易になり、ドローン活用の幅を広げることが期待される。

 テックファームは、この実証を通じて、産業用ドローンの自律運航とAIによるデータ解析・自動編集を組み合わせた社会実装モデルの構築を目指す。現地作業や人員リソースに依存しない遠隔・自律型の運用サイクルを実現し、観光やエンターテインメント、防災、インフラ点検、環境モニタリングなど幅広い領域への展開を狙う。