2025年12月3日、Liberaware(リベラウェア)は、自動巡視型カメラ「トリノス」を発売した。大型データセンターやプラント、洞道、ダムの監査廊、トンネルといった施設の巡視点検を自動化し、広大な施設の巡視点検業務の省人化を図る。また、これを起点に設備保全DXを加速させる。

自動巡視型カメラ「トリノス」イメージ画像

 労働人口が減少する中、施設内の巡視点検や警備業務は多くの人手を要する領域であり、効率化と安全性の両立が求められている。リベラウェアが丸の内熱供給社と共同開発したトリノスは、レール上を走行するカメラユニットが遠隔操作・自動で施設内を巡視して撮影・記録を行うことで、従来の人手による点検を効率化する。

トリノスの特徴

  • 遠隔操縦
     中央監視室等の遠隔地からトリノスを操縦して現場の巡視点検を行うモード。トリノスを前進・後進させながら、カメラのパン(横回転)・チルト(縦回転)・ズーム機能を活用して巡視点検を実施できる。直感的な操縦を実現するアプリは、時間をかけずに操縦技能を習得可能だ。緊急時の現場状況の確認にも対応する。
  • 自動定期巡回
     事前に設定した時間、ルート、カメラワークに沿って自動で巡視するモード。巡視完了後には撮影した動画データを操縦PCに自動転送する。
  • 自動充電ポートとバッテリー管理
     巡視点検の無人化を目指し、トリノスのターミナルポイントに自動充電ポートを設置。巡視点検を終えて帰還すると自動で充電を開始する。バッテリー状態をリアルタイムで監視し、安全に運用できる。
  • 長距離走行と走行能力(急カーブや登坂の対応)
     1回の充電で最高3km(高速モード時)を走行可能。長距離の走破が必要なダムの監査廊や大規模データセンターの巡視点検にも活用できる。急カーブ(R400)や登坂(傾斜35度)にも対応する走行能力を備える。
  • 簡便なレール敷設工事
     バッテリーと無線(Wi-Fi)で走行するため、電気工事が不要で比較的簡易にレールを敷設できる。
写真:倉庫、プラント、洞道
想定する活用シーン
「トリノス」プロモーションムービー(株式会社Liberaware YouTubeチャンネル)

製品仕様(概要)

サイズW245×D400×H315mm(カメラ部を含む場合500mm)
重量約6kg
バッテリー4769mAh/7.38V(35.2Wh)×2個 ※三元系リチウムイオンバッテリー
充電時間約2時間 ※残量30〜90%まで充電した場合
対応環境温度0~50℃
登坂性能最大35度
最小旋回半径レール内側:R400/レール外側:R525
最高速度3km/h
※3段階の速度選択が可能:高速モード 3km/h・中速モード 2km/h、低速モード 1km/h
走行可能距離最長約3km(高速モード時)
駆動時間最長約75分間
無線形式Wi-Fi
搭載カメラ画素数:約210万画素(動画(mp4)録画が可能)
ズーム:光学10倍ズーム
パン・チルト:水平角 360°旋回、垂直角 -15°~+195°
最低照度(カラー):0.015ルクス
レール幅:125mm
素材:【レール部】SS400 焼き付け塗装、【土台部】A6005(アルマイト処理)