2025年11月26日、パーソルビジネスプロセスデザインは、アジア航測と共同で、レベル3.5飛行(無人地帯での補助者なし目視外飛行)の実証実験を実施した。測量分野におけるレベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)の実現を目指した取り組みであり、同社は運用体制の整理、ドローン飛行の技術的支援、レベル4飛行を実施する際の飛行エリアの選定を行った。

写真3枚:飛行するドローン、操縦者など/ドローンに触れながら作業するスタッフ/ドローン
実証実証の様子

 航空法の改正により、都市部でのドローン飛行を可能とするレベル4飛行が解禁されたものの、レベル4飛行の活用は物流分野に限られている。測量業界では、建物や地形の測量にドローンを活用するニーズが高まっているが、広域や有人地帯での飛行申請・運用はハードルが高いことが課題となっている。

 こうした背景から、両社は測量におけるレベル4飛行の実現に向け、レベル3.5飛行の実施と、将来的なレベル4飛行の運用方法の検討を行った。

実証概要・結果

【実証1】

 中山間地域において離陸場所から3km離れた河川および砂防施設を撮影し、撮影データから3Dモデルを作成した。

 パーソルビジネスプロセスデザインは、レベル3.5飛行における運用手法および飛行技術を支援した。具体的には、通信環境調査から機体の設定を行い、状況に合わせた適切なルートの案内や緊急着陸場所の設定などを行った。

 実証の結果、操縦者や補助者が目視できない状態でも、3Dデータの取得に必要な飛行が可能なことを確認した。

砂防ダムのスリット部分の点群データ
実証で作成した点群データ

【実証2】

 将来的なレベル4飛行に必要な技術や環境、安全かつ効率的な飛行方法などの調査を実施した。

 パーソルビジネスプロセスデザインは、レベル4飛行を実施する際のエリア選定や、点検・測量の実務を想定した適切なエリア・撮影対象物の調査、自治体との連携によるフィールドの手配を担当した。

 その結果、実証で行った機体制御技術や運用手法がレベル4飛行においても有効であることを確認した。また、レベルに応じてより安全で効率的な飛行を行うためには、飛行ルートの設計におけるリスク評価・対策のプロセス構築が必要であることが明らかとなった。

 今後、測量を目的としたレベル4飛行が実現することで、より多くのエリアで3Dモデル化が促進されるため、人材不足の解消や新たな業務の創出、老朽化するインフラの保全など地域の課題解決が期待される。

 パーソルビジネスプロセスデザインは、測量分野におけるレベル4飛行に向けた運用体制のさらなる構築と実用化に継続して取り組むとしている。