2025年11月21日、DRONE FUNDは、3号ファンドからMetComへ追加出資を実行したと発表した。MetComは、次世代の三次元測位、航法、時刻(PNT)サービスの提供を目指すスタートアップだ。

MetComのロゴ

 位置情報サービスの標準技術であるGPSを含むGNSSは、衛星から時刻信号を受信して位置測位を行う。屋内や地下では衛星信号の受信が困難であるため、主に屋外で利用される。また、きわめて微弱な電波を扱うため、妨害や干渉に弱く、この技術を基盤としたシステムは脆弱性が懸念されている。

 MetComの次世代3D PNTサービスは、地上基地局ベースによるシステムの信号強度が強く、建物内や地下でも三次元位置測位が可能となる。また、GNSSの脆弱性が引き起こす社会課題に対しても、地上局ベースのアプローチは有効な解決策となることが期待される。

 初回投資以降、垂直測位サービス「Pinnacle」のサービス展開状況、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同事業の提携発表、電波測位サービス実現のための制度環境が整ってきたことなど、事業進捗が着実なことから、DRONE FUNDは追加出資を行った。

DRONE FUND 共同代表 大前創希氏 コメント

 DRONE FUNDは、「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、セキュアで屋内でもつながる三次元測位技術は極めて重要な技術と位置付けております。特に近年はGNSSに対するジャミング等の問題も頻発しており空の安全性確保のためGNSSを補完するインフラ構築が急務です。こういった環境下でMetComが実現を目指す3D PNTインフラはその全てについて解決が可能なインフラであり、事業も着実に進んでいることから追加出資をさせていただくこととなりました。彼らのサービスが、レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)の社会実装を目指す業界の安全性確保に寄与するものと確信しております。