2025年10月29日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、NEDO懸賞金活用型プログラムの新たなテーマとして「NEDO Challenge for BLUE ECONOMY/広範囲な浅海における短時間計測・観測システムの開発」の公募を開始する。

 実現が困難とされる広範囲な浅海における短時間計測・観測システムの開発について、コンペティションを通じて技術のブレークスルーを狙うとともに、異分野からの参入、ブルーカーボン産業の創出、海洋産業発展の契機とするため、入賞者には懸賞金(総額約4億円)と技術の活用機会を用意する。

「NEDO Challenge for BLUE ECONOMY」のロゴマーク

 NEDOは、技術課題や社会課題の解決に資する多様なシーズ・解決策をコンテスト形式による懸賞金型の研究開発方式を通じて募り、将来の社会課題解決や新産業創出につながるシーズをいち早く発掘することで、共同研究などの機会創出、シーズの実用化、事業化の促進を狙うプログラム「NEDO Challenge」を創設。2024年3月の開始から7つの懸賞広告を実施している。今回は、広範囲な浅海における短時間計測・観測システムの開発をテーマとした懸賞金活用型プログラムを開始する。

事業について

 持続可能な海洋利用の観点から、ブルーカーボン産業や海洋産業の活性化への期待が大きい日本において、極めて重要な技術開発を目指す。

 海中はあらゆる物理現象の減衰が激しく、既存の単一技術はもとより複数の既存技術を組み合わせても困難であり、海洋付着生物という個体有機物を非破壊で計測する必要があることも、難易度を高めている。これらの技術課題などの解決に資する多様なシーズ・解決策を3次にわたるコンペティション形式による懸賞金型の研究開発方式を通じて募り、技術のブレークスルー、異分野からの参入、ブルーカーボン産業の創出、海洋産業の盛り上げを図る。

 3次コンペティションの優勝者には賞金を授与する。また、「テーマ<1>大型藻類の生育状況の把握・計測」において、ムーンショット型研究開発事業などへの参加の可能性もある。

コンペティション概要

 今回募集を開始するのは、1次コンペティションとなる。

エントリーから1次(要素技術)・2次(複合技術)・3次(総合技術・実測)コンペティションまでの流れ
懸賞金コンペティションの流れ

 11月11日にプレイベントを開催し、事業の趣旨・狙いについて紹介する。部門4「自由技術部門」への応募予定者には、プレイベントで応募にむけたアドバイスやマッチングを行う。応募は最大2部門まで。学生参加者の1位には学生賞(100万円)を別途用意している。小学生の応募も可能。

【1次コンペティション募集テーマ】
<1>大型藻類の生育状況の把握・計測(4部門)
<2>船底付着生物の把握(3部門)

1次コンペティションの内容
1次コンペティションのテーマ別募集部門一覧

【1次コンペティション実施概要】

 応募期間中にマッチング期間(2025年10月29日~11月21日)を設け、コンペティション課題の解決に向けて参加者同士の連携を通じて、技術のブレークスルーを起こしうる機会の提供を行う。

 書類審査通過者のうち、特に水中のシステム開発の未経験者、海洋分野の開発が初めての人に向けて、海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの専門家による技術指導の講座やメタリング・ワークショップを行う。

 また、1次コンペティションの開発期間中に、平沢マリンセンターで実証環境を提供する予定。

日時2026年5月中旬
場所平沢マリンセンター(静岡県沼津市)

プレイベント

 1次コンペティションへの提案促進、ビジネス共創・マッチングの機会創出、一般の人への海洋技術の魅力発信と理解促進を目的としたイベントを開催する。

Ocean Innovation Day 2025
-NEDO Challenge for Blue Economy Pre-Event-

日時2025年11月11日(火)10:00~18:00
場所清水マリンパーク(静岡県静岡市)、THE SIX STADIUM(静岡県静岡市)、オンラインによるハイブリッド開催
参加・出展申し込み先NEDO懸賞金活用型プログラム/広範囲な浅海における短時間計測・観測システムの開発
https://blue-economy-challenge.nedo.go.jp

 午前のプログラムでは、懸賞金活用型プログラムの趣旨説明やコンペティション概要の紹介に加え、専門家による基調講演を行う。その後、技術を有する事業者によるライトニングトークや、ネットワーキングおよび個別相談会を通じてシステム開発者とのビジネス交流とマッチングの機会を提供する。

 午後は、ROV(Remotely Operated Vehicle)やドローンなどによる現地デモを予定している。また、出展を希望する事業者はデモ・展示によるPRを通じて、新たなビジネスチャンスを創出することができる。日没後には、子供向けのイベントも予定している。

公募説明会

 1次コンペティションへの応募に関して説明会を実施する。

日時2025年11月11日(火)10:00~10:50(プレイベント内で実施・オンライン参加可能)
2025年11月14日(金)10:00~10:50(オンライン)
申し込み先NEDO懸賞金活用型プログラム/広範囲な浅海における短時間計測・観測システムの開発
https://blue-economy-challenge.nedo.go.jp

1次コンペティションの今後の予定

1応募、2マッチング、3・4書類審査、5開発、6 1次コンペティション、7表彰
1次コンペティションの流れ
  • 応募期間:2025年10月29日(水)~12月18日(木)正午
  • マッチング:2025年10月29日(水)~11月21日(金)
  • 書類審査:2025年12月下旬~2026年1月上旬(予定)
  • 審査結果:2026年1月中旬~下旬(予定)
  • 開発、メンタリング期間:2026年2月~4月
  • 1次コンペティション:2026年5月中旬(予定)
  • 受賞者決定、表彰式:2026年5月下旬(予定)
  • 懸賞金交付:2026年7月末(予定)


▼NEDO懸賞金活用型プログラム/広範囲な浅海における短時間計測・観測システムの開発
https://blue-economy-challenge.nedo.go.jp