2025年10月22日、日鉄物産は、非破壊検査用ドローンの設計、製作、販売を手掛けるカナダのSkygauge Robotics(以下、Skygauge社)と日本国内での独占販売契約を締結したと発表した。
日本国内では、人手不足を背景に省人化や効率化のニーズが高まっており、ロボットやドローンなどの先端技術の活用が加速している。なかでもインフラ・設備点検分野は成長が期待されるドローン活用領域であり、2024年度の国内市場規模1,053億円が、2028年度には約2倍の2,088億円へ達すると推測されている(※1)。
Skygauge社が開発する接触型非破壊検査(超音波探傷など)用ドローンは、対象物を傷つけることなく、ドローンの先端に取り付けた探触子で内部の欠陥や劣化を高精度に計測する非破壊検査機能を有している。すでにカナダや米国、オーストラリア、中東諸国などに導入実績があり、グローバルな顧客基盤を持つ。
従来、高所で行う超音波探傷検査は、足場設置や人力による危険な作業が必要であり、作業者の安全確保やコスト、作業時間が課題であった。ドローンを活用することで、こうした作業を安全かつ効率的に行うことができるようになり、人手不足への対応やコスト削減、作業リスク低減に寄与する。
日本製鉄グループの日鉄テクノロジーは、製鉄所内の高所構造物の超音波板厚調査にSkygauge社のドローンを導入し、実用化に向けて検証を進めている。
日鉄物産は今回の契約を通じて、日本市場でのドローンによる非破壊検査ソリューションの普及・拡大に積極的に取り組むとともに、生産性向上や人手不足といった社会課題の解決に貢献するとしている。
