新明和工業の無人飛行艇「XU-MⅡ」が初飛行

　2025年10月14日、新明和工業は、自社開発した無人飛行艇「XU-MⅡ（Experimental Unmanned/Utility aircraft–Marine type）」の初飛行に成功したことを発表した。

無人飛行艇「XU-MⅡ」

　飛行試験は、2025年10月2日、航空機事業部甲南工場沖で実施。遠隔操作により双胴飛行艇を離着水させるなど、基本的な性能の確認を行った。

　新明和工業は、「経済安全保障重要技術育成プログラム（以下、K Program）」の研究開発課題「海空無人機による海洋観測・監視・調査システムの構築」（研究代表機関：海洋研究開発機構（JAMSTEC））において、双胴型の無人飛行艇実証機の開発を担っている。XU-MⅡは開発に必要なデータ収集および課題把握を目的として実機の1/5スケールで開発した機体となる。

　同機は、2022年9月に初飛行した無人飛行艇「XU-M」の知見を生かし、構造の最適化や軽量化を図り、飛行制御などに関わるシステムも一新して安全性・拡張性を高めている。また、K Programの構想に基づき主翼中央へペイロードの懸架、艇体内へのミッション機器の搭載が可能で、さまざまなミッションへの活用を見込んでいる。

　今後、2025年3月に行った研究開発用航空機「XU-L」の自動操縦飛行（OPV試験）を踏まえた自動操縦機能を実装し、徐々に運用環境（風・波など）の拡大を行いながらK Program向け無人飛行艇実証機の開発に資するデータ取得を重ねるとしている。

無人飛行艇「XU-MⅡ」概要