ヤマト運輸と韓国のWATT(ワット)は、2025年8月22日から、大規模マンションでのラストマイルモデルの構築に向け、自動配送ロボットを活用した実証実験を開始する。

写真:ロボットの扉側が開き、利用者が荷物を出し入れする様子
写真:エレベーターのボタンを押すロボット

 都市部や再開発エリアでは、1,000戸を超える大規模マンションが増加している。マンション規模の拡大に伴い、居住者の荷物の受け取りニーズも多様化している。この実証により、大規模マンション特有の環境下での配送ニーズや、24時間稼働できる自動配送ロボットによる利便性などを検証する。2026年中の実用化に向けて、実証地域の拡大、他の宅配事業者や他業界の荷物の配送にも対応する予定だ。

実証内容

  • 大規模マンション特有の環境で、自動配送ロボットの運用性能(正確性、生産性)や障害物回避など動作機能の検証
  • 自動配送ロボットがもたらす利便性、住民の満足度、運用コストなど大規模マンションでの導入効果の検証

実証の流れ

1. 常駐スタッフがスマート宅配ボックスに荷物を格納する。

2. スマート宅配ボックスに荷物のサイズと送り状に記載された届け先情報を読み取らせる。

3. 居住者は、通知メールに記載のURLから受け取り方法や受け取り日時・時間帯を指定する。

4. スマート宅配ボックスが、自動配送ロボットに配送を指示する。自動配送ロボットは、スマート宅配ボックスに移動し、荷物を受け取る。

5. 自動配送ロボットは、ロボットアームでオートロックの解錠やエレベーター操作を行い、配達先へ移動する。

6. 自動配送ロボットは、指定された配達先に到着したら、受取人となる居住者に到着のお知らせと開錠用パスワードをメールで通知する。対面での受け取りを希望した場合は、チャイムを鳴らす。

7. 居住者は、待機している自動配送ロボットの液晶画面にメールで通知された開錠用パスワードを入力し、自動配送ロボットのドアが開いたら荷物を取り出す。非対面での受け取りを希望した場合は、自動配送ロボットが玄関ドア前に置き配する。

実証の流れ

実証場所・期間

場所期間(土日祝除く)配達時間
プラウド新浦安パームコート(千葉県浦安市)2025年8月22日(金)~9月24日(水)9:00~18:00
プラウドタワー目黒MARC(東京都品川区)2025年10月23日(木)~12月10日(水)予定未定

※事前に許可を得ている居住者が対象

使用機材

  • スマート宅配ボックス「W-Station(ダブルステーション)」1台
    送り状を読み取り、配送先を自動判断。自動配送ロボットと連動し、自動で荷物を受け渡す。
  • 対面型自動配送ロボット「James mW(ジェームズ ミリワット)」1台
    エレベーターやセキュリティドアを操作し指定された場所へ配送する。
  • 非対面(置き配)型自動配送ロボット「James W(ジェームズ ワット)」1台
    エレベーターやセキュリティドアを操作し指定された場所へ配送する。

実証場所について

  • プラウド新浦安パームコート
     大規模マンションであるプラウド新浦安パームコート(総戸数550戸、地上14階建)は、敷地が広く住戸までの配送距離が長いため、自動配送ロボットによるラストマイルの効率化に適した環境。
    写真:プラウド新浦安パームコートの外観
  • プラウドタワー目黒MARC
     オフィス・賃貸住宅・分譲住宅の3棟からなる複合開発MEGURO MARCの街区内のタワーマンション(総戸数301戸、地下1階・地上32階建)で、1・2階には、街区およびその周辺のエリアマネジメントを行うMEGURO MARCの活動拠点がある。
    写真:プラウドタワー目黒MARCの外観