2025年8月20日、オーエフは、特高・高圧太陽光発電所のケーブル盗難に対し、ドローンを活用した防犯対策サービスの実用化を目指し、TRIPLE7と共同で実証実験を実施したことを発表した。
太陽光発電所で増加するケーブル盗難の対策として、警備員の配置や防犯カメラ、センサーなどが導入されている。こうした従来型の対策は、人件費や設備導入コストが高額である一方、盗難の抑止力や犯人の特定能力が不十分という課題があった。ドローンや人感センサー、24時間体制の有人監視センターを組み合わせることで、効果的かつ経済的な盗難対策の実現を目指す。
2025年7月に栃木県内の特高発電所(過去に複数回盗難被害があった施設)で行った実証実験では、「DJI Dock 3」(ドローンポート)と「Matrice 4TD」(ドローン)を⽤いて、日中・夜間の両時間帯の巡回方法、威嚇効果、近隣住民への影響などを検証した。
【検証内容】
威嚇・抑⽌効果の検証(夜間中⼼)
- ライト照射による視覚威嚇の効果確認
- スピーカー⾳量・⾔語・内容ごとの⼼理的影響
- サイレン⾳の種類・構成の⼯夫と有効性
センサー検知の精度評価(昼夜)
- ⾚外線カメラによる⼈物検知性能(距離・⾓度・⾼さ)
- 昼と夜の熱環境による検知性の差異
- 可視カメラとの併⽤・ズームや⾓度設定の評価
⾶⾏安定性と⾃動運⽤の実現性(昼中⼼)
- 通信・センサー強度の確認
- バッテリー消費と運⽤可能時間
- 地形・障害物に対応したウェイポイントの設定
実証実験の結果、ドローンによる巡回・威嚇は盗難抑止に非常に有効であり、盗難行為を未然に防ぐ効果が高いことを確認した。一方、巡回ルートや運用するドローンの台数は、施設の立地や設備配置により最適化する必要があり、また近隣住民への騒音・光の影響などについても個別施設ごとの対応が求められることがわかった。
オーエフは次の段階として、監視カメラとのAPI連携や24時間監視センターとの無人連動飛行の検証を進めるとしている。また、保険会社との連携も検討し、同サービス導入による保険適用範囲の拡充を図る。
