GMO AIRと日本科学未来館、AI対話型ロボットによる多言語展示解説の運用可能性を検証

　GMO AI＆ロボティクス商事（以下、GMO AIR）は、2025年8月25日より日本科学未来館（東京都江東区）と、日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語に対応したAI対話型ロボットの共同実証実験を開始する。

　実証実験では、AI対話型ロボットが展示内を自由に移動しながら来館者に展示解説や案内を行う。解説や案内は多言語で行い、展示解説や案内を行う自律移動型ロボットの運用可能性を検証する。

　また、同ロボットは、AIエージェントを活用することで、開発プロセスを効率化することも目指しており、ロボットアプリケーションの実装業務のうち約80％をAIが自動生成している。

　日本科学未来館では、2030年に向けたビジョン「『未来』をつくるプラットフォーム」の実現に向けて、来館者とともに研究開発や実証実験を進める「未来をつくるラボ」としての活動を推進している。その一環として、最新の生成AI技術を搭載した対話型ロボットによる、館内案内・多言語対応の実証実験をGMO AIRと共同で実施する。

　この取り組みでは、文書データ等の検索・回答が可能な「RAG（※1）」技術を組み合わせることで、来館者向けの展示解説・施設案内から一般科学の内容に関するコミュニケーションに至るまで、多言語対応が可能なロボットを活用して提供する運用可能性の実証実験を行う。

※1 RAG（Retrieval-Augmented Generation）：外部データを活用して生成するAI技術。

実証実験の概要

体験イメージ

　来館者がロボットに「この展示は何ですか？」と話しかけると、ロボットがその場の位置情報をもとに、そこにある展示物の名称や解説を自然な対話で案内する。英語・中国語など多言語での対応も可能で、海外からの来館者にもスムーズな案内体験を提供する。

　GMO AIRは、生成AIとロボティクスの社会実装に向けた課題と可能性を検証し、今後の横展開に向けた基礎づくりを目指す。施設ごとに異なる展示内容や案内ニーズに柔軟に対応できるよう、カスタマイズ性を備えた仕組みを整備し、来館者の体験価値と現場の業務効率を両立する“次世代型文化施設インフラ”の構築を進める方針だ。