2025年8月5日、ANAホールディングス(以下、ANAHD)と、エアタクシーサービスおよびeVTOLを開発する米国のJoby Aviation(以下、Joby)は、eVTOL(電動垂直離着陸機)を用いた日本でのエアタクシーサービス提供に向け、合弁会社設立の本格検討を開始することに基本合意したと発表した。

写真:飛行する空飛ぶクルマ「Joby S4」

 この合意に基づき、信頼性、静粛性、環境性に優れた次世代エアモビリティであるeVTOLを用いて、日本国内の都市部を中心として日常的に利用できるエアタクシーサービスの実現を目指す。将来的には100機以上の導入、首都圏をはじめとした日本全国への展開を図る。

 ANAHDとJobyは、日本全国でのエアタクシーサービス実現に向け必要なエコシステム(Vertiportの開発、パイロット訓練、航空機整備支援含む)の構築を進める方針だ。

 また両社は、大阪・関西万博において、2025年10月1日から閉幕日である10月13日まで、ANAの特別塗装を施した空飛ぶクルマ「Joby S4」のデモンストレーションフライトを一般公開する。

 万博会場西側に位置するEXPO Vertiport(モビリティエクスペリエンス)から離陸し、翼で揚力を得る完全遷移状態で会場西側の海上を水平飛行する。1日2回程度の飛行を予定している。

デモンストレーションフライト概要(予定)

飛行速度~220km/h
飛行高度~900フィート(300m)
飛行時間10分程度
機体Joby S4
備考・Jobyが許認可を取得し、すべの運航を実施する。
・期間中に2日ほどデモフライトを運休し、EXPO Vertiport内の実機見学イベントを予定している。
※デモンストレーションフライトおよび実機見学イベントに関する詳細は改めて発表する。
夢洲周辺の地図に示された、夢洲西側海上の飛行ルート
飛行エリア

Joby S4

 Joby S4は、米国で設計・製造されたeVTOLで、ヘリコプターのように垂直に離陸し、飛行機のように効率的に水平飛行することが可能。極めて静かでゼロ・エミッションでの飛行を実現する。

 既存の地上交通よりも早くクリーンで、利便性の高いモビリティとなるよう設計されており、都市の混雑を気にすることなく移動時間を短縮できる(例:車で1時間の距離を数分に短縮)。

搭乗可能人数5人(バイロット1人、乗客最大4人)
最高速度200マイル/時(320km/h)
航続距離160km