2025年7月31日、SkyDriveは、大阪・関西万博で空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」のデモフライトを開始した。8月24日まで実施する(火・水曜日は運休)。

 SkyDriveは、2023年2月に大阪・関西万博「未来社会ショーケース事業出展」の「スマートモビリティ万博」における空飛ぶクルマ運航事業者に選定され、万博をマイルストーンと設定して機体開発を進めてきた。

2025年7月31日に大阪・関西万博会場内「EXPO Vertiport」で行ったデモフライトの様子。高度約4m、飛行時間約3分間、パイロットは搭乗せず自動制御とリモート操縦で運航した(SkyDrive Inc YouTubeチャンネル)
写真:飛行するSKYDRIVE
ミャクミャクが楽しそうに乗り込む様子をデザインした「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」(提供:SkyDrive)
写真:飛行するSKYDRIVEと、スマートフォンを構えてフェンス越しに観覧する来場者
安定したフライトを行う様子(提供:SkyDrive)
写真:SKYDRIVEを充電する様子
SKYDRIVEを充電する様子(提供:SkyDrive)

 8月1日から24日まで、月・木・金・土・日曜日にデモフライトを実施する。火・水曜日は運休となる。運航予定時刻は9時30分頃。天候や機体メンテナンス等の状況しだいで、11時30分頃に2回目のフライトを行う。

 万博会場内北西部の「モビリティエクスペリエンス」に位置する「EXPO Vertiport」を離着陸地点として周回飛行を行う予定だ。

 予約は必要なく、デモフライト予定時間にEXPO Vertiport周辺に集合。飛行時は混雑が予想される。屋内観覧スペースは用意していないため、モビリティエクスペリエンスに隣接する「団体休憩所 西」の活用や、こまめに水分補給をするなど、熱中症への対策を求めている。また、EXPO Vertiport付近で観覧する場合は、Bluetooth搭載機器やWi-Fiなどの電波を発する電子機器は、機内モードに設定、もしくは電源を切ること。

 デモフライトに関する最新情報は、大阪・関西万博公式アプリ「EXPO 2025 Visitors」や、SkyDriveのSNSで発表する。

万博会場内のモビリティエクスペリエンスの位置
(提供:2025年日本国際博覧会協会)

 SkyDriveは現在、機体の商用運航に必要な型式証明の取得に向けた活動を行いながら、商用化に向けた事業検討を進めている。大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)と協業し、2028年をめどに森之宮エリアでのサービス開始を目指すとともに、九州旅客鉄道(JR九州)と協業し、2028年度頃に別府湾での遊覧サービスや、別府と湯布院をつなぐエアタクシーの運航開始を目指している。

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏のコメント

 SkyDriveはこれまで、「未来社会の実験場」である2025年大阪・関西万博にて、当社の空飛ぶクルマを皆さまにお披露目し、未来を感じていただくことを目指してまいりました。そのために全社一丸となって本当に多くのチャレンジを乗り越え、無事デモフライトをお披露目できたこと、大変感慨深いです。これまで様々な形で応援・ご支援くださった関係者の方々と、共に歩んできた社員の皆さんに、心より感謝申し上げます。
 来場者の皆さまに、将来当たり前となる「日常の移動に空を活用する未来」を体感し、楽しんでいただける場となるよう、引き続き安全第一で運航してまいります。

空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」基本仕様

機体サイズ(全長×全幅×全高)約11.5m×約11.3m×約3m(ローター含む)
最大搭乗人数3人(操縦士1人+乗客2人)
燃料バッテリー(電動)
駆動方式12基のモーター・ローター
主要構造材料複合材(CFRP)やアルミ合金など
最大離陸重量1,400kg
最大巡航速度100km/h(対気速度)
航続距離15〜40km