2025年6月18日、横河電機は、オランダのShell Global Solutions International(以下、シェル)と、プラント監視・保守でのロボットやドローン利用について協業契約を締結したことを発表した。
横河電機は、シェルが開発した高度なマシンビジョンツール「Operator Round by Exception」(以下、ORE)を「OpreX Robot Management Core(ロボット管理コア)」に搭載し、今後、エネルギーや化学業界などの製造現場へ提供していく。
OREは、マシンビジョンとAI分析技術を活用し、ロボットがプラントの巡回点検時に現場計器や指示計の読み取り、液漏れ、機器の不具合のチェックなどのタスクを自律的に実行できるようにするデジタルソリューション。シェルのマシンビジョン技術と健全性管理、遠隔監視や腐食管理分野のノウハウを組み合わせ、2年をかけて開発した。
OpreX Robot Management Coreは、横河電機のロボットソリューションの主要製品。ロボット管理のプラットフォームとなるソフトウェアであり、プラント保守作業を行うさまざまな種類のロボットを一元管理することで、安全で効率的な管理を支援する。プラントの制御システムや安全計装システムに接続すると、取得したデータを使用してロボットに指示を出すことができる。シェルのORE技術を搭載することで活用の幅が大きく広がる。
今後、横河電機はシェルの2つの施設でロボットとドローンによる巡回を試験的に展開し、プラントの監視・保守の効率化などの効果を検証する。
この協業は、将来のエネルギーソリューション開発のための産官学連携を支援する場としてシェルが2022年に設立したエネルギー・トランジション・キャンパス・アムステルダムにおいて、横河電機が同社と取り組む最初のプロジェクトとなる。また、両社はマシンビジョン技術のさらなる開発と強化を目指し、研究開発ロードマップに関しても協力することに合意した。
