2025年4月24日、ジザイエは、建設現場向けロボットの遠隔操作機能を迅速に実装可能とする、汎用的な遠隔化モジュールを開発したと発表した。
この取り組みは、ジザイエが推進する共創型の連携枠組み「JIZAIE Partners Program」の一環として実施したもので、同モジュールは、竹中工務店らが開発した自律型清掃ロボット「TOギャザー」への実装を通じて実証されている。
建設現場では、安全性向上や労働力不足への対応を目的として、さまざまな自律型ロボットの導入が進んでいる。多くのロボットは「稼働中の自律動作」を前提としている一方、スタート地点への誘導や作業終了後の帰還など「稼働前後」のプロセスは、人手に頼る必要がある。
また、遠隔操作の導入を検討する場合、ロボットのインターフェースや通信仕様が機種ごとに異なるため、導入コストが高く、現場ごとの個別開発が避けられないという課題があった。
今回ジザイエが開発した遠隔化モジュールは、建設ロボットに必要とされる機能をパッケージ化し、さまざまなインターフェースに対応可能な形で提供する。
- 遠隔操作用のユーザーインターフェース(タブレット、PC、スマートフォン対応)
- 低遅延・高圧縮な映像伝送技術
- 自律制御と遠隔操作の併用を想定した制御モード設計
- 通信状態に応じたフェイルセーフ対応
- 外部インターフェースとの柔軟な接続(ROS、各種プロトコル)
ロボットの新規開発や既存機体への後付け改修でも、遠隔操作機能を短期間で実装することができる。
提供価格は、月額10万円(税別)からを想定している。導入するモジュール構成や接続対象のロボット仕様により、価格は変動する可能性がある。
TOギャザーへの実装と検証結果
このモジュールは、竹中工務店らが開発した自律型清掃ロボット「TOギャザー」への実装を通じて、建設現場での有効性を確認している。TOギャザーは、建設現場の清掃作業を担う自律型ロボットで、作業中は自律走行により安定した運転が可能。しかし、運用の前後には、スタート位置の設定や清掃エリアへの移動、作業後の帰還など、人的介入が必要であった。
今回の導入により、以下の遠隔操作機能を追加した。
- 稼働前の初期位置調整
- 清掃エリアへの誘導
- 作業中の状況把握と必要に応じた介入
- 稼働後のバックヤード帰還操作
これにより、現地作業者による対応を最小限に抑えた柔軟な運用が可能となり、ロボットの活用効率が大幅に向上した。
今後、建設機械(バックホー、クレーン等)やUGV(無人地上車両)、点検用ドローンなど、建設現場で活用されるさまざまなロボットに同モジュールを展開するとしている。