2025年3月31日、日本化薬は、同社が開発するドローン用安全装置「PARASAFE」が、PixhawkシリーズおよびCubePilotを含むArduPilot(アルデュパイロット)搭載のフライトコントローラーと連携して作動できるようになったと発表した。

日本化薬が開発するドローンパラシュートがArduPilot搭載フライトコントローラーとの連携を実現、PARASAFEとCubePilot

 PARASAFEは、緊急時にドローンを安全に着地させるためのパラシュートシステム。今回の連携により、多くの産業用ドローンで広く採用されているPixhawkシリーズやCubePilotとの互換性を確保し、シームレスな統合が可能となった。これにより多くのドローンオペレーターや企業が同製品を導入しやすくなる。

連携の特徴

 ArduPilot環境で用意されたParachuteコマンドを利用することで、機体の運用シーンに応じたPARASAFEの作動を設定可能。ArduPilotでサポートされたフライトコントローラー(Pixhawk、CubePilotなど)や、地上管制局(Mission Planner、QGroundControl)でPARASAFEを使用できる。

 オートトリガー(自動)では、フライトコントローラーが姿勢角や降下速度で異常判定を行うと、全てのプロペラを停止し、パラシュートにPWM信号を出力。PARASAFEはこのPWM信号を受け取り、瞬時にパラシュートを射出、開傘する。

 マニュアルトリガー(手動)では、送信機のスイッチや地上管制局にパラシュートの起動コマンドを割り当てる。緊急時に操縦者もしくは管制官がスイッチを押すと、フライトコントローラが全てのプロペラを停止し、パラシュートにPWM信号を出力。PARASAFEはこのPWM信号を受け取り、瞬時にパラシュートを射出、開傘する。

作動方法

 ドローンの送信機に割り振られたスイッチを操作することで、PixhawkシリーズやCubePilotを含むArduPilot対応のフライトコントローラーからパラシュート装置へPWM信号を送信。この信号を受信したパラシュート装置が作動し、安全に展開する。

ArduPilot Developers Conference 2024でのデモンストレーション

 2024年10月に石川県加賀市で開催された国際開発者会議「ArduPilot Developers Conference 2024」において、実機によるデモンストレーションを実施。CubePilotを搭載したAero Systems West社のILM Quadcopterに PARASAFEを搭載し、マニュアルトリガーでパラシュート作動を行った。パラシュート着地後の機体に破損はなかった。

写真:PARASAFEを搭載したILM Quadcopter
PARASAFE搭載 ILM Quadcopter
ArduPilot Developers Conference 2024で実施したデモンストレーションのダイジェスト映像