2025年11月18日、アンリツは、大阪・関西万博会場内に設置された空飛ぶクルマの離着陸場「EXPO Vertiport」上空において、セルラー通信のつながりやすさや安定性などの通信品質を測定し、その結果を地図上に可視化する取り組みを実施したと発表した。

飛行する空飛ぶクルマ(合成イメージ)

 空飛ぶクルマやドローンなどの次世代エアモビリティは、地上と連携するためにさまざまな無線技術を活用している。その中で、セルラー通信は信頼性と利用者の利便性向上の観点から有力な選択肢の一つとなっている。特にドローンの目視外飛行では、遠隔監視や設備点検、災害対応などで遠隔制御や高精細映像の伝送が求められており、セルラー通信がその役割を担うと考えられている。こうした安全な運航管理や安定したデータ伝送を実現するには、上空の通信品質の把握が不可欠である。

取り組み内容

 アンリツは、大阪・関西万博会場のEXPO Vertiportの上空150mまでの空域で、セルラー通信の品質を測定した。複数の測定器をProdrone製ドローン「PD6B-Type3」に搭載し、高度を変えて水平移動しながら通信速度(スループット)や通信遅延を計測し、データを収集した。その結果を地図上に3Dで可視化することで、空飛ぶクルマやドローンの離着陸場や飛行ルートにおける通信品質を容易に評価できることを確認した。

 この取り組みにより、次世代エアモビリティの普及に伴い高まる上空の通信品質評価ニーズに対応する構えだ。