日本UAS産業振興協議会（以下、JUIDA）やブルーイノベーションなど関係各社は、2025年8月16日、大阪・関西万博会場において、ドローンと空飛ぶクルマが共存して運航する実証を行った。
未来の都市型エアモビリティ社会における「多様なエアモビリティの輻輳（ふくそう）」に対応する運航管理手法の有効性を検証する目的で実施した。
空飛ぶクルマの利用が今後拡大した場合、ドローンとの空域重複が想定される。空の交通を成立させるには、独立した運航管理体制の構築が求められる。
今回の実証では、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「ReAMoプロジェクト」の成果を活用し、ドローンや空飛ぶクルマの運航状況を一元的に把握する運航管理システム（ReAMo UTM）と現場での目視監視を組み合わせることで、複数のエアモビリティが飛行する状況を安全に管理できることを実証した。
実証概要
まず午前中にドローン運航を行い、南岸エリアや大屋根リング上など会場内の複数拠点から運航管理チームが監視した。その後、空飛ぶクルマの飛行を2回にわたり実施し、離陸から飛行、着陸に至るまでのプロセスを運航管理チームが逐次確認の上、ドローン事業者と情報を共有し、空間的時間的に近接した両者の運航を安全に分離するための運航調整手順を検証した。
実施体制
| ドローン飛行前の安全管理 | JUIDA |
| ドローン飛行中の安全管理 | ブルーイノベーション |
| ドローン運航管理 | JUIDA会員企業：オーシャンワン、関西ドローン安全協議会・パシフィックエアサービス（TEAM EXPO2025）、東邦ホールディングス、アイテム、Suzak |
| 運航管理システム | 日本電気、Intent Exchange、NTTデータ |
大阪・関西万博での実証成果は、次世代モビリティにおける空域管理制度の検討や、民間主導の空域サービスの構築に反映される。