2025年9月11日、三井不動産とオリィ研究所は、日本橋エリアにて分身ロボット「OriHime」を活用した新たな観光体験「OriHime日本橋ガイドツアー」を正式に開始した。

「OriHime日本橋ガイドツアー」の様子

 OriHimeは、遠隔地にいるパイロット(操作者)がロボットを介してその場に“分身”のように存在し、リアルタイムで会話やしぐさを交えながらコミュニケーションできる遠隔操作型ロボット。

 OriHime日本橋ガイドツアーは、パイロットがOriHimeを操作しながら街の観光案内をする。参加者は、肩に乗せたOriHimeを通じてパイロットと目線を共有し、会話をしながら歩くことで、まるで一緒に街を巡っているような臨場感のある観光体験ができる。

 英語でのガイドにも対応しており、インバウンド向けの新たな観光資源の創出、そして遠隔からのガイドを可能にすることで、急増するインバウンド対応に伴う観光業の人材不足に取り組む。

 三井不動産が街づくりを通して得た知見をオリィ研究所に提供することで、OriHimeの活用フィールドをこれまでの「場」という点から、日本橋全体の「街」という面へと大きく広げる。

分身ロボット「OriHime」

 ガイドツアーでは、OriHimeを背負った参加者が、遠隔地にいるパイロットの案内で日本橋の街を歩く。オリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」から出発し、福徳神社などの日本橋の名所観光や、老舗商店での買い物を楽しむ。ロボットを介してパイロットと目線を共有し、会話やしぐさを交えたガイドを受けることで、単なる観光案内を超えた臨場感と交流が体験できる。

 また、パイロットは英語でのガイドやコミュニケーションが可能。そのため、外国から訪れるインバウンド客への対応にも活用でき、言語の壁を越えたスムーズな接客を実現する。

写真:肩にロボットを乗せて神社や商店を観光する様子
「OriHime日本橋ガイドツアー」の様子

 現在、病気や障がい、子育て、介護などの理由で外出が難しい「移動困難者」は3,400万人にのぼるといわれている。OriHimeのパイロットは遠隔地から体を動かさずにガイドできるため、移動困難者でもパイロットを務めることができる。

 このガイドツアーを通じて、あらゆる人の就業機会を創出し、社会との接点を広げることで、D&I推進への貢献を目指すとともに、観光業の人材不足解決にも貢献するとしている。

図:OriHimeで接客する仕組み
分身ロボット「OriHime」の仕組み