2025年9月3日、SORA Technology(以下、ソラテクノロジー)は、マラリア対策技術を応用し、フィリピンのレイテ島においてドローンとAIを活用したデング熱媒介蚊対策の実証実験を行ったことを発表した。
デング熱はマラリアと同様に蚊が媒介して感染が拡大する疾患であり、同社のマラリア媒介蚊対策の技術をデング熱に応用することを目指した。
【実証概要】
| 日時 | 2025年7月10日、11日 |
| 場所 | フィリピン・レイテ島 |
- ドローンによる空撮と地理空間解析で、ボウフラ発生リスクの高い水域をマッピング
- 環境指標をもとに流行リスク地域を特定するAIモデルを適用
- 国際人道支援団体Help.NGOの現地ネットワークとソラテクノロジーの技術を融合し、実践的な検証を実施
デング熱媒介蚊が発生する前に感染のハイリスク地域を特定することで、データに基づいた予防的な対策を可能にする。気候変動によって蚊媒介感染症のリスクが高まるなか、国際協力に基づくアプローチにより地域社会のレジリエンス強化に寄与する。
また、アフリカでのマラリア対策から主に東南アジア地域でのデング熱対策へと技術を横展開できれば、日本でも将来的に感染が拡大する可能性のあるデング熱やチクングニア熱といった蚊媒介感染症や、かえりみられない熱帯病(NTDs)の予防・制御への貢献が期待できる。
デング熱は、蚊を媒介して感染するウイルス性疾患で、熱帯・亜熱帯地域を中心に世界的に拡大している。毎年数億人規模の感染が報告されており、アジア太平洋地域における主要な公衆衛生課題のひとつである。マラリアと同様に、媒介蚊の発生源を制御することが予防に有効であると考え、マラリア対策の知見をデング熱に応用することで、フィリピンを始めとしたデング熱罹患リスク地域への導入を推進する。
今回共同で実証実験を行った国際人道支援団体Help.NGOは、世界各地で災害対応・防災・人道支援を行う国際NGO。2019年以降、国連のスタンバイパートナーとして登録されており、緊急時の国連支援活動を含む幅広い国際協力を展開。衛星通信、無人航空機(ドローン)、ICTを活用した先端的な支援活動を行っている。
