2025年9月1日、センシンロボティクスと中部電力パワーグリッドは「送電設備点検コンサルティングサービス」の提供を開始したことを発表した。
両社はドローンを用いた架空送電設備自動点検技術を共同開発してきた。この技術を架空送電設備の保守業務に特化した業務アプリケーション「POWER GRID Check」に実装し、2021年から現場で運用している。2023年には、架空送電設備の異常をリアルタイム検出するAIを共同で開発し、2024年8月に検出対象設備を拡大。個々の作業員の判断に依存することなく、ドローンによるデータ取得から異常判定までを一括して自動で実施することが可能となった。
両社は、POWER GRID Checkを活用し、顧客が保有する架空送電設備の点検および設備保全に関するコンサルティングサービスの提供を開始した。センシンロボティクスから顧客に対してPOWER GRID Checkライセンスを提供することで、点検作業で得た設備データを顧客自身で利活用できる。中部電力パワーグリッドは、顧客の架空送電設備の点検および点検結果に基づく補修計画の策定などを実施し、架空送電設備のトータルサポートを実現する。
今後、全国の架空送電設備への展開や、コンサルティングサービスの対象設備の拡大を予定している。また、アプリケーションの機能拡張や点検データの利活用支援などを通じて、より高度な予防保全・設備管理の実現を目指す。
POWER GRID Check
センシンロボティクスと中部電力パワーグリッドが共同開発した技術をベースとした、ドローンを活用した送電設備点検アプリケーション。鉄塔(支持物・がいし)と送電線(架空地線・電力線)を一括で自動点検できることが特徴で、ドローンと設備の間に安全な離隔距離を確保したうえで、自動航行により均一したデータ取得を行い、ドローンに関する特別な知識を持たない作業員でも簡単に送電線点検業務を実施可能。
送電設備点検コンサルティングサービス
中部電力パワーグリッドの送電設備点検の専門知識・運用ノウハウと、ロボティクス・AI技術を有するセンシンロボティクスが連携し、架空送電設備の点検から補修計画策定までの一連の業務をワンストップで提供する。
ドローンによる架空送電設備点検に関して豊富な実績を持つ中部電力パワーグリッドの技術者が、POWER GRID Checkを活用し、昇塔点検などの高所作業を伴う危険な点検箇所も安全かつ効率的に点検する。
ドローンで撮影した高精細なデータは、POWER GRID Checkで一元管理。送電設備点検の専門知識を持つ中部電力パワーグリッドの技術者が、管理されたデータをもとに異常箇所の特定や劣化状況の診断を正確に行い、詳細な報告書として提出する。
点検結果に基づく報告書作成に加え、最適な補修計画の策定までを包括的に支援。オプションとして、現場の状況に応じた適切な点検サイクルや設備更新のタイミングなどの提案も行う。
