2025年8月18日、SkyDriveは、大阪・関西万博において、大阪府知事の吉村洋文氏や宇宙航空研究開発機構(JAXA)、充電設備を提供する関西電力などが視察する中、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の海上デモフライトを同日実施したことを発表した。あわせて、機体搭載カメラの映像(8月16日撮影)を公開した。
現在SkyDriveは、機体の商用運航に必要な型式証明の取得に向けた活動を進めている。商用化に向けた事業検討にも取り組んでおり、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)と協業し、2028年をめどに森之宮エリアでのサービス開始を目指している。また、九州旅客鉄道(JR九州)と協業し、2028年度頃の別府湾での遊覧サービスや、別府と湯布院をつなぐエアタクシーの運航開始を目指している。
8月16日に撮影した機体搭載カメラの映像
| 撮影日時 | 2025年8月16日 9:30頃 |
| 飛行実績 | 飛行時間:5分14秒 飛行距離:720m 最高高度:27m |
デモフライト視察の様子
大阪・関西万博デモフライト概要
SkyDriveは、大阪・関西万博でデモフライトを実施している。
【今後の運航スケジュール】
| 8月21日(木) | 9:30頃 |
| 8月22日(金) | |
| 8月23日(土) | |
| 8月24日(日) |
天候や機体メンテナンス等の状況しだいで、11時30分頃に2便目のフライトを行う。デモフライトに関する最新情報は、大阪・関西万博公式アプリ「EXPO 2025 Visitors」や、SkyDriveのSNS(https://x.com/Skydrive_jp)で発表する。なお、当日の気象状況等によりデモフライトを中止したり、機体メンテナンス等のために運休する可能性もある。
万博会場内北西部の「モビリティエクスペリエンス」に位置する「EXPO Vertiport」を離着陸地点として周回飛行を行う予定である。
予約は必要なく、デモフライト予定時間にEXPO Vertiport周辺に集合。飛行時は混雑が予想される。EXPO Vertiport付近で観覧する際は、Bluetooth搭載機器やWi-Fi等の電波を発する電子機器を機内モードなどの電波を発しない状態とするか、電源を切ること。また、屋内の観覧スペースがないため、熱中症対策を求めている。
コメント
大阪府知事 吉村洋文氏
実際に見て、空飛ぶクルマは空の移動革命になると確信しました。
最初は、観光遊覧が非常に有効で、さらに災害対策であったり、空の低い高度で移動が自由になり、今までの移動手段とは違う新たな空の移動手段になります。
例えば、ここから新大阪駅や、ベイエリア、大阪城公園、関空など身近なエリアを自由に飛び回る世界がやってくると思いました。
まだこれからのところもありますが、特にSkyDriveは国産の空飛ぶクルマでもありますし、我々も国産の空飛ぶクルマを応援したいです。
万博では、新たな技術、新たな産業が生み出されます。この万博において、空飛ぶクルマが飛びたったことは、空の移動革命に向けて大きな一歩だと思っています。
今日はその大きな可能性を感じました。空飛ぶクルマに自由に乗れることを楽しみにしています。
無人航空機普及・利用促進議員連盟(ドローン議連)会長 田中和徳氏
大阪・関西万博での我が国唯一の「空飛ぶクルマ」のメーカー、SkyDriveによる海上デモフライトは、日本のスタートアップ企業が持つ高い技術力と挑戦の意義を改めて示す、素晴らしい機会となりました。「空飛ぶクルマ」は、観光やイベントでの新しい体験価値の提供にとどまらず、日常の移動手段や物流、防災・災害対応など幅広い分野での実用化が期待される画期的なツールです。
観光はもちろん、地方創生や地域間交流の促進にもつながる「空飛ぶクルマ」の産業が日本で成功するよう、引き続き支援していく所存です。
経済産業省 製造産業局 航空機武器産業課 次世代空モビリティ政策室長 古市茂氏
空飛ぶクルマによる移動等は新しい交通サービスであり、産業として発展させるためには、機体や運航管理システムなどの技術開発や産業基盤の整備に加えて、国内市場の将来像を描くことが重要です。経済産業省としては、その実現に向けて必要な環境整備を進め、需要創出と市場開拓を支援して参ります。
SkyDrive社には国産機体メーカーとして、日本の空飛ぶクルマの市場開拓や関連産業の育成を牽引していただきたいと期待しています。
宇宙航空研究開発機構 理事補佐 伊藤健氏
次世代エアモビリティの将来を担う空飛ぶクルマのフライト実現、誠におめでとうございます。日本発の技術が実機として空を飛ぶ姿は、航空技術・航空産業の発展にとどまらず、都市間・都市内輸送の革新に向けた大きな一歩であり、大変意義深い成果です。JAXAとしても、騒音予測・低減技術や風洞試験評価に関する共同研究などでご協力してまいりましたが、今後も各方面とも連携による技術課題の解決を通じ、空飛ぶクルマの社会実装が現実となることを期待しております。