横浜市立みなと赤十字病院と川崎重工業は、川崎重工業の屋内配送用サービスロボット「FORRO(フォーロ)」の運用を2025年7月22日より開始する。
横浜市立みなと赤十字病院は、老朽化した院内搬送設備に代わる新たな院内物流の搬送手段の導入に向けた院内ワーキンググループを2024年度に立ち上げ、新たなソリューションの導入を検討してきた。
エレベーターやセキュリティードアとの連携により院内の垂直・水平移動が可能なFORROを導入することで、院内搬送設備を更新するだけでなく、これまでスタッフが行っていた搬送業務をロボットが代替する。これにより、看護師や薬剤師、検査技師などが本来の専門業務に集中できる環境が整い、患者対応の質向上や業務の効率化が期待される。また、夜間や休日の搬送業務もロボットが対応できるため、医療従事者の負担軽減と働き方改革の推進にも寄与する。
運用概要
| 運用開始日 | 2025年7月22日 |
| 運用体制 | 「FORRO」2台(24時間体制) |
| ユースケース | 医薬品、検体、採血管など |
| 配送ルート | 病棟・オペ室~検査室間、薬剤部~病棟間、救急外来~病棟など、全7フロアを走行(最大100m走行、最も多い階移動 1~8階) |
屋内配送用ロボット「FORRO」
FORROは、川崎重工業が「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」をコンセプトに、深刻化する労働力不足に対して製作したサービスロボット。親しみのわく外観を備えている。
【特長】
外来患者が多い時間帯を含む「24時間安定稼働」
- 広範囲をセンシングし、外来患者が多い日中の混雑時間帯でも安全に走行。病院特有の環境変化の多さ(ドアの開閉・カートやベッドの有無等)にも確実に対応する。
- 45分間充電で連続6時間稼働。タスクの間に自動充電し、稼働時間を最大化する。
効率的なルートを安全かつ迅速に移動
- 周囲の混雑具合や時間帯、エリア別に最適な速度に調整するシステムを搭載。混雑していない環境では安全を確保しながら高速モードに切り替わる。
- 周囲の人やモノを検知しながら目的地まで最適なルートを選択し走行する。
大容量で広範囲を巡回、複数箇所でタスク実行
- 約95Lと大容量のセキュリティーロック付き荷室を搭載。棚は用途に応じてカスタマイズ可能(荷室内の温度変化を感知する機能も搭載)。
- 複数病棟の巡回走行が可能。定時刻の決まったルートの巡回に加え、都度カスタマイズしたルートの巡回もできる。
