2025年4月23日、Liberaware(以下、リベラウェア)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「SBIR推進プログラム」(連結型)のテーマ「災害時に生き埋めになった生存者を迅速に捜索するセンシング技術やロボティクス技術の開発」において、倒壊建屋内における生存者を確認するための小型ドローン周辺機器研究開発を行い、警察施設において開発品を用いた実証実験を実施したことを発表した。
従来の倒壊家屋内の生存者探索は、がれきが多くて進入できない家屋や、余震により作業者自身へ危険が及ぶことなど、容易に実施できないという課題があった。
リベラウェアは、能登半島地震の被災地において狭小空間点検ドローン「IBIS2」を活用し、倒壊した家屋の内部調査を実施している。その経験も踏まえ、同プログラムにてIBIS2を改良し、広範囲で安定した無線接続とリアルタイム温度検知により、倒壊家屋内での捜索が可能であると考え周辺機器の開発を行った。
プロダクト概要
リベラウェアが開発したIBIS2および関連機材を改良し、生き埋めになった生存者を迅速に捜索する。
【主な研究開発内容】
- 複数の無線送受信装置から発信する無線電波のうち、強い無線の方に自動的にIBIS2が接続する仕組み。
- リアルタイムに映像を伝送する小型サーモカメラ。
【開発品】
- マルチ延長アンテナ
従来は一つの無線装置に対して1台のIBIS2が無線接続していたため、倒壊家屋内では無線電波の到達距離が限定的であるという課題があった。複数の無線装置の無線と接続できるように改良したことで強い無線と自動的に接続できるようになり、より広範囲な調査が可能になった。 - IBIS2専用サーモカメラ
ドローン上部にサーモカメラを搭載し、撮影した映像をリアルタイムで確認する。倒壊家屋内が視界不良である課題に対して、生存者の体温が可視化されることによる見落とし防止および早期発見の可能性を模索している。
リベラウェアは、今後、同プロダクトが実際の災害現場で活用されるようアップデートを行い、消防や警察等の各機関との連携を進めるとしている。
