2025年4月1日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、ドイツのヴィルヘルムスハーフェンにある高圧ガス貯蔵用の球形タンクの検査を実施したと発表した。

 テラドローン開発のUTドローン(超音波探傷検査機器を搭載したドローン)を活用し、ヨーロッパのバルク製品取扱企業HES Internationalが所有する球形タンク4基に対して検査を行った。

テラドローン、UTドローンを活用した高圧ガス貯蔵用球形タンクの検査を実施/球形タンク

 球形タンクの検査は、従来、足場やはしごを設置し、作業員が内部に入って実施する手法が一般的であった。作業員の安全性やタンク内部の損傷リスクを伴うことに加え、足場の設置・撤去や設備の稼働停止時間による生産性の低下が課題となっていた。

 UTドローンを活用することで、作業員はタンク内に入ることなく安全に検査を実施できるほか、検査準備にかかる足場の設置・撤去が不要になり、労働コストを削減する。従来は数週間から1か月ほどかかっていた検査を1日で完了できる。

 UTドローンは、超音波探傷検査(※1)に対応し、タンク内部の表面を傷つけることなく板厚測定が可能。また、接触触媒(カプラント)ディスペンサーを搭載し、飛行中でも探触子にカプラントを供給できるため、効率的に検査を進めることができる。

※1 超音波を用いて内部の傷を測定することができる機能