新潟県妙高市、KDDIスマートドローンは、DJI FlyCart 30を使用して標高2,100mの高谷池ヒュッテまで燃料・物資を輸送する実証を、2024年9月25日から10月18日まで実施した。

 実証では、ペイロード重量約26kg(燃料を含む)の荷物をドローンに搭載して、笹ヶ峰駐車場から高谷池ヒュッテまで片道約4.8kmを自律飛行し、ウインチ操作により荷物を配置。その後、笹ヶ峰駐車場まで自律飛行で戻ってくる一連の実証を行った。人が運搬する場合は往復5時間以上を要するところをドローンは約15分で輸送を完了し、その有効性を確認した。

 なおこの実証は、妙高市先進技術実証業務委託の一環として実施したものとなる。

ふもとの笹ヶ峰駐車場からDJI FlyCart 30を使って配送物を高谷池ヒュッテまで輸送するイメージ図
実証イメージ

 高谷池ヒュッテでは、シーズン初めにヘリコプターを使った飲食物・燃料等の物資輸送を行い、さらに必要に応じて歩荷(ぼっか)による物資輸送を行っている。ヘリコプター輸送はコスト面や臨機応変な輸送タイミングでの運航が難しく、歩荷による物資輸送は人手不足や輸送重量面で課題があり、ドローンの活用が期待されている。

 今回は、ふもとの笹ヶ峰駐車場と高谷池ヒュッテにそれぞれ1名のフライヤーを配置し、プロポと機体を2.4GHzの直接通信でつないで実証を行ったが、高谷池ヒュッテにau基地局を整備し上空モバイル通信対応エリアが構築されるため、今後は上空モバイル通信を使ったレベル3.5による飛行で運航の効率化を検討する。

妙高市山小屋燃料輸送 実証動画
配送ボックスに収められたポリタンク(タオル・緩衝材)/配送用ボックス/配送物を吊り下げて飛行するドローン
3Dの飛行ルート

 実証に使用したDJI FlyCart 30は重量物の長距離配送が可能で、貨物モードとウインチモードに対応。安全で経済的、効率的なドローン配送ソリューションを実現する。

DJI FlyCart 30の外観
DJI FlyCart 30
ウインチシステムキット
メーカーDJI
大きさ長さ 2800 × 幅 3085 × 高さ 947mm(アーム・プロペラ展開時)
最大積載量30kg(デュアルバッテリーモード)
最長飛行時間18分(重量負荷30kg、デュアルバッテリーモード)
最大航続距離16km(重量負荷30kg、デュアルバッテリーモード)
機体重量65kg(DB2000バッテリー2個搭載)