三菱総合研究所は、東京都の委託を受け、ドローンを活用した物流ビジネスの社会実装が期待されるプロジェクトとして2022年7月に選定された、KDDI、KDDIスマートドローン、日本航空(JAL)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、ウェザーニューズ、メディセオによる、ドローンを活用した医療物資輸送の検証を実施する。



 同プロジェクトは、都内におけるドローン物流サービスの早期社会実装を目指すもの。2022年度はドローンの遠隔自動飛行による医療物資輸送を1か月間実施し、安全性を検証したほか、小学校でドローン教室を実施するなど地域住民の認知度・理解度向上に取り組んだ。

 2023年度は、日本で初めて(※1)医薬品をドローンのレベル4飛行で輸送したほか、ドローンポートを用いた医薬品授受管理の実証を実施するなど、ドローンによる医療物資輸送サービス開発にあたっての課題抽出を行った。


 2024年度はドローンのレベル4飛行およびレベル3.5飛行による医薬品配送の実証を行い、稀用医薬品の管理体制および配送方法など、ドローンを活用した新たな供給サービスの実装に向けたビジネスモデルの検証を行う。

※1:同プロジェクトにおいて2023年度に実施したレベル4飛行は日本国内で3事例目となるが、医薬品のレベル4飛行による輸送としては国内初の事例。

実施概要

 2024年10月および11月の平日日中帯に、医療物資輸送サービスを想定したドローンのレベル4飛行およびレベル3.5飛行を実施する。

 檜原診療所(東京都西多摩郡)と特別養護老人ホーム 桧原サナホーム(東京都西多摩郡)を結ぶ、有人地帯の上空を含む飛行ルートを設定し、物流用ドローンの自動飛行による医療物資輸送を行う。

 KDDIスマートドローンのオフィス内(飯田橋本社ビル)に運航管理室を設置し、遠隔で各運航を行う。

【レベル3.5飛行】(1対2運航)

 レベル3.5飛行では多数の医薬品を短時間で効率的に配送するため、オペレーター1人に対して2機のドローンを同時に運航する1対2運航を行う。

実施期間:2024年10月21日(月)~25日(金)
使用機体:ACSL社製「AirTruck」

写真:ACSL社製「AirTruck」外観

【レベル4飛行】


 レベル4飛行では、都心部での飛行に求められる安全性向上を図るため、CRM(※2)を取り入れたオペレーション体制で運航する。

※2:CRM(Crew Resource Management):安全運航のため、利用可能な全てのリソースを有効かつ効果的に活用し、チームメンバーの力を結集してチームの業務遂行能力を向上させるという考え方。

実施期間:2024年11月5日(火)~7日(木)
使用機体:ACSL社製「PF2-CAT3」

写真:ACSL社製「PF2-CAT3」外観

【時間】
9:00~17:00(予定)
1フライトあたり約20分/往復飛行
1日に複数回のフライトを予定。天候などにより、実施日が前後する可能性あり。

【場所】
東京都西多摩郡檜原村

【ルート】
檜原診療所~桧原サナホーム(予定)
レベル3.5飛行:往復約4.96km
レベル4飛行:往復約4.52km
※飛行ルートは航空局による許可承認の結果を受けて決定する。

飛行ルート
(国土地理院地図に基づき三菱総合研究所が作成)

【主催】
KDDI、KDDIスマートドローン、日本航空、東日本旅客鉄道、ウェザーニューズ、メディセオ