2024年9月19日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、経済産業省が2023年度補正予算に盛り込んだ、グローバルサウス(※1)未来志向型共創等事業費補助金に、「インドネシア市場に係る無人航空機の運航管理システム(UTM)の実用性実証事業」が採択されたことを発表した。最大5億円の予算のもと、インドネシアにおいて、ドローンの利活用が増えることを見据え空のインフラとなる運航管理システム(UTM)の事業展開を目指す。

※1 グローバルサウス:南半球に多いアジアやアフリカ、中南米などの新興国・途上国の総称

ドローンが都市の上空を飛行するイメージ

 ウクライナ情勢などを受け、グローバルサウス諸国の存在感が高まるなか、日本政府も連携強化に向けた方針について議論を進めている。また、三菱総合研究所のレポートによると、経済面において、2050年にかけて名目GDPの合計が米国や中国を上回る規模にまで急拡大すると見込まれている。

クローバルサウス、中国、米国、欧州、日本の名目GDPシェアの予測グラフ。グローバルサウスの合計は、2050年にかけて米中を上回る規模に。
名目GDPシェアの予測(出典:三菱総合研究所「ウクライナ危機で存在感増す「グローバルサウス」」)

 インドネシアは、世界有数のオイル・ガス国家であり、ドローン点検市場が有望視されているほか、パーム農園などの大規模農業での活用や離島間物流でもドローン活用が見込まれ、ASEAN諸国の中でもドローン市場の拡大が期待されている。

 テラドローンは、2017年からインドネシアでドローンサービス事業を始めているほか、国全体へのUTM導入実績を持つUnifly(ユニフライ)を子会社に、米国で高いUTMシェアを持つAloft Technologies(アロフト)をグループ会社に持つなど、UTM事業においてグローバルな知見や実績を有している。

 テラドローンはグループ会社・子会社と連携し、インドネシアのジャカルタや建設中の新都市・ヌサンタラなど、複数都市においてドローンが普及していくために必要なUTMの実用化に向けて実証実験を行い、グローバルサウス諸国との経済連携の強化やインドネシアでの経済支援に貢献するとしている。また、将来的には現地でのUTMサービスの商業化を目指す。