2024年9月12日、ジェイテクトは、自動車の電動パワーステアリングのコンピタンスをもとに、ドローンの姿勢や速度などを制御するシステム「フライトコントローラー」の開発に着手したことを発表した。
ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを集約したテクノロジープラットフォームを活用し、課題解決策を提案するソリューション共創センターの開設を進めている。今回のフライトコントローラー開発は、テクノロジープラットフォームとソリューション共創センターによって同社が目指すソリューションプロバイダーとなる第一歩になる。
少子高齢化や人口減少、インフラの老朽化などを背景に、ドローンの設備点検や貨物輸送への活用が広がり、信頼性の高いドローンに対するニーズが拡大している。ジェイテクトは2022年より、ドローンの運動性能を向上させるソリューションとして高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy」をドローンメーカー各社に提案している。
これまでの取り組みに加え、ドローンの姿勢制御の信頼性を高めるフライトコントローラーを開発することで、ドローンの性能向上への貢献を目指す。
フライトコントローラー 製品概要
点検・測量や短距離物流などに利用されるマルチローター型ドローンは、複数のプロペラのローター回転数を制御することで飛行している。この制御には、複数のセンサーに基づく安定姿勢の演算とローターへの指令といった高い応答性が求められる。
ジェイテクトのモーター制御技術や安全設計技術を生かして開発を進めているフライトコントローラーは、高い応答性や姿勢安定性、信頼性を備えた姿勢制御を実現し、従来品と比較して突風発生時の安定性が向上することを確認している。
さらに、同社の高耐熱リチウムイオンキャパシタとの相乗効果により、高性能なドローンの姿勢制御を実現する。
ジェイテクトは同社が出資するプロドローンと継続的な飛行試験、各種要素試験による姿勢制御システムの開発、検証を進めており、今後、ドローン各種機体へのフライトコントローラー量産販売に向けた取り組みなどを進めるとしている。