TISは、同社のマルチロボットプラットフォーム「RoboticBase」に、ホテル向けロボット活用テンプレートを2024年9月4日より追加する。

 RoboticBaseは、サービスロボットをインテグレーションするための統合管理機能を提供するプラットフォーム。運搬、清掃、案内、警備など種類の違うサービスロボットやセンサー、カメラ、サイネージなどのIoTデバイスを統合管理する基本機能を備えている。施設管理や企業システム、外部データとの連携などを容易にすることで、サービスロボット利用の利便性を向上させる。

 今回公開するホテル向けロボット活用テンプレートは、ホテル内の清掃やレストランでの配膳・下膳、ルームサービスの配送といった業務を行う複数台のロボットを統合管理し、運用計画の策定や運用状況のモニタリングなどを行う。

RoboticBaseを活用し、多種多様なロボットをホテルで運用するイメージ画像
マルチロボットプラットフォーム「RoboticBase」により複数のロボットを運用するイメージ

 コロナ禍を経て再び国内宿泊客やインバウンド需要が急増している一方、ホテル業界では労働環境や離職率の高さから人手不足が深刻な課題となっている。その改善策の一つに、業務のDX化による生産性向上の取り組みが挙げられる。

 そこで同社は、ホテル内で活用するサービスロボットを統合管理し、業務の自動化・効率化を短期間・低コストで実現するホテル向けロボット活用テンプレートの提供を開始する。

 ホテル内で稼働する清掃ロボット、配膳・下膳ロボット、配送ロボットを統合管理するためのサービスであり、各ロボットの運用計画の策定、運用状況のモニタリング、アラートの管理等を行う。テンプレートには、同社オフィスで運用中のロボットのほか、さまざまな企業で導入・運用中のロボットによる配送、清掃、配膳・下膳業務をもとにしたノウハウを集約している。

【清掃ロボット】
 ロビーやエレベータホール、客室廊下等のパブリックスペース(共用部)を清掃する。ロボットによる清掃計画を登録、計画通りに効率よく清掃を実施し、結果をレポートする。

【配送ロボット】
 宿泊客からのアメニティグッズ等のルームサービス依頼に対応し、ロボットが客室まで配送する。客室内線とも連動し、配送ロボットの到着を宿泊客へ通知する。

【配膳・下膳ロボット】
 レストランやカフェで、ロボットが指定されたルートを巡回してスタッフの配膳・下膳業務を支援する。

【ロボット稼働状況のモニタリング】
 各業務管理者のための機能として、各ロボットの稼働状況をモニタリングする。ロボットへの業務指示や、ロボットに異常があった場合に速やかに対処が可能。

RoboticBaseのモニタリング画面のイメージ
ロボット稼働状況モニタリング画面イメージ

 ホテル向けロボット活用テンプレートには、マルチロボットプラットフォームRoboticBaseを採用し、ロボット活用領域の拡大において、柔軟な拡張性を提供する。

 ロボットを導入するホテル環境によって、エレベータの乗降、自動ドア、セキュリティゲートの通過など、ホテル設備とロボットとの連携にも柔軟に対応する。また、各ロボットの稼働状況は一元管理され、どこからでも確認が可能。清掃、配送、配膳・下膳業務のほか、案内や警備などのさまざまなサービスロボットを接続し、将来の有効活用の幅を拡張する。

 同テンプレートを利用することで、従来サービスロボットの導入に必要なシステム構築と比較して、期間・コストを約30~50%効率化。国内外のメーカーが製造するさまざまなサービスロボットに対応する。

 清掃や配送、配膳・下膳業務などへのサービスロボット活用により、スタッフの業務負担を軽減し、接客に集中できるようになり、ホスピタリティの向上に寄与する。また、ロボットによるスタッフの業務代替により、スタッフ不足による稼働率低下を防ぎ、機会損失を回避する。

 同社は今後、病院での検体搬送業務や薬剤搬送業務、飲食店での案内業務や配膳・下膳業務を統合管理するためのテンプレートの開発を進めるとしている。

▼ホテル向けロボット活用テンプレート
https://www.tis.jp/service_solution/dxrb/hotel_template/