2024年6月30日、デジタルカレッジKAGAは、災害への迅速な対応を可能とする「高機動型ドローンドック」の開発初期設計を完了したことを発表し、コンセプト動画を公表した。
近年、気候変動や自然災害の増加に伴い、災害対応の迅速化・効率化が求められており、従来の方法ではアクセスが難しい場所や、情報収集が困難なエリアでの活動の遅れが課題となっている。一方、土砂崩れや道路の陥没などがある被災地への侵入は、ヘリコプターやバイクなどの高機動性が求められる。これらの高機動性とドローンの高機動性を組み合わせることで、効果的なソリューションを生み出す。
ドローンコンプレックスKAGAでは、2024年初頭に相次いだ震災やその後の対応状況を分析し、ドローンの機動性を最大限活用するには高機動の移動体に搭載することが有効だと結論づけ、バイク搭載型の高機動型ドローンドックの開発を開始した。
【高機動型ドローンドックの特徴】
・高機動×高機動
バイクとドローンの組み合わせで高機動×高機動、さらにヘリコプターなどと掛け合わせることで高機動×高機動×高機動を実現。
・オフロード型バイクを想定
災害後の危険が多い場所でもオフロード型バイクは迅速に移動が可能。周囲の状況をドローンでモニターすることができればバイクの高機動性をさらに生かすことができる。
・迅速な展開
現場に到着次第すぐにドローンを展開し、上空からの情報収集や状況把握が可能な設計。通信機器やバッテリーはバイク側に搭載する。
・広範囲をカバー
ドローンの飛行範囲が広がり、バイクでアクセスできないエリアもドローンでカバーする。
・データ収集能力の向上
バイク側に搭載した通信設備により、上空からの高精度な画像や動画データを遠隔地からリアルタイムで取得・共有が可能。
【設計検討の特徴(一部)】
・汎用性と取り外しの容易さ
さまざまな種類のバイクに搭載が可能で、取り外しが容易な設計。二輪車業界の専門家の意見を取り入れ、防塵・防水性やバイクの運行を妨げない形状とした。
・振動対策
バイク走行時の振動や大きな揺れがドローンや装置に影響を与えない設計。雨天時の防水性も考慮した。
・軽量化と操作性
離着陸時のドローン固定解放やIMU調整をワンタッチ手動で行える機構を採用。部品点数を減らし軽量化を図った。
・通信・バッテリー機器の搭載
ドローンの運用に必要なバッテリーや通信機器、ベースコンピューターなどが収納でき、即座に展開可能。
・可用性と汎用性
ボックス自体は取り外しが可能で、バイクを車両に載せる際にも対応。ボックス単体で船舶や車両にも搭載できる。
・運用の冗長性
災害対応の専門家の意見を反映し、複数台での運用や冗長性を持たせた設計を採用。
災害を想定しつつ、警備や監視、物流など、さまざまな日常分野への応用が期待される。同社は今後も技術改良を続け、プロトタイプ製作や実証実験におけるパートナー参加について広く声掛けを行うとしている。
なお、高機動型ドローンドックについての詳細は、7月27日、28日に開催する「ドローンエンジニア会議」で発表する。
デジタルカレッジKAGA
石川県加賀市に拠点を置くデジタル人材育成機関。
本社所在地:石川県加賀市大聖寺八間道65番地 加賀市イノベーションセンター
代表者名:齋藤和紀
設立:2022年01月