2024年5月22日、テラドローンは、自社開発UAVレーザーTerra Lidarシリーズの新製品となる「Terra Lidar Dual」と「Terra Lidar R」を発売した。

 Terra Lidar Dualは、陸上でも上空でも使用が可能。UAVレーザーとSLAM(自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術)の一体化により、補測まで1台で完結できる。

 Terra Lidar Rは、スキャナー単体価格が従来の約3分の1となる1,000万円以下。測量精度5cm以下、照射点数50万点/秒のハイエンドUAVレーザーだ。

Terra Lidar Dual(TLD)

 これまで、岸壁の上方が下方より突き出ているオーバーハング箇所や橋梁下、電線が上を通っていてドローンが飛行できない場所などは、UAVレーザーに加えてトータルステーションや地上型レーザーで補測を行っていた。

 Terra Lidar Dualは、UAVレーザースキャナーとSLAM技術を搭載したハンディ型スキャナーの2つの機能を備えており、簡単に切り替えて計測ができる。陸上や上空も1つのデバイスで補測まで完結できるため、他の機材を用意せずに最小限の初期費用で導入が可能だ。

 オーバーハング箇所や橋梁下、ドローンが飛行できない場所をSLAMで計測し、UAVレーザーで計測した点群と統合。

【Terra Lidar Dual スペック】

Terra Lidar R(TLR)

 これまで、高精度UAVレーザーは活用が難しく高額で、限られたユーザーしか利用ができなかった。Terra Lidar Rは、1つ1つの構成部品まで独自開発し、従来の高精度UAVレーザーの3分の1となるスキャナー単体で1,000万円以下という価格を実現した。自動色付け点群機能を搭載し、着陸時に点群データを出力できる。

 従来製品と比較してスポット径が小さいため、高度が上がっても精度5cmを維持したまま地上の物体の細部を捉えた点群データを取得する。点密度も高い(1秒間に50万点)ため、建物のエッジや白線までクリアに捉え、植生が多い現場でも十分な密度の地表面の点群データを取得可能。精度の高いデータを得ることで、完成度の高い地図や3次元モデルなどの成果物を納品することができる。

【Terra Lidar R スペック】

 両製品とも、導入、運用支援のほか、クラウド解析サービスを通じた精密な点群生成まで対応する。公共測量に必要な要求精度を確保できるため、公共測量にも活用が可能。また、着陸時に自動で色付けした点群データを出力する機能を搭載しており、点群を色付けするためのオルソ画像作成は不要となる。