鴻池組は、建設業界の生産性向上を目指し、先端技術の実証実験を行うテストフィールド「鴻池組ロボットパーク」を2024年8月23日にオープンし、同日開設イベントを実施した。

 ロボットパークはコンクリートや砕石、アスファルトといった多様な路面でのロボットの性能検証や、急傾斜や階段など厳しい条件下での動作確認が可能。災害現場を想定したがれき環境での緊急時の対応力強化などを実施できる。

写真:7台のロボットが並んでいる様子
開設イベントで披露したロボット
写真:ロボットのアームでテープカットを行う様子
四足歩行ロボットがテープカットを行う様子

 深刻な人手不足が課題となっている建設業界では、ロボット技術の活用が注目されている。同ロボットパークでは、人間とロボットが協働する新しい建設現場のあり方を模索し、業界全体の課題解決に取り組む。

 四足歩行ロボットは、スロープや不整地を自在に移動し、危険な現場でも安全に点検作業を実施可能。現場巡察作業を大幅に軽減する。熟練工の技術をデジタル化した鉄筋結束ロボット(トモロボ)は、結束作業を自動化し、高品質な施工を実現する。

写真:砂利の山の上を走行するロボット
不整地エリアを移動する四足歩行ロボット
写真:ロボットが鉄筋を結束する様子
建ロボテックの鉄筋結束ロボット「トモロボ」
四足歩行ロボットと運搬トモロボ「ドッグ」

 今後、鴻池組は、同施設を活用して最新技術の実証実験を行い、建設現場に適した機能の開発を推進する。人間の仕事とロボットが得意な作業を明確に分けることで、両者が協働する建設スタイルの確立を目指す。

 また、同施設をオープンイノベーションの場と捉え、建設現場の生産性向上と安全性確保を目的に、ロボットメーカーや専門技術を持つ協力会社との連携を積極的に推進し、長時間稼働や複雑な現場条件への対応など、実用化に向けた課題解決を進めるとしている。