2024年2月19日、アクタライズは、市販の産業用ドローンに搭載可能な電磁超音波厚さ計「DroneMAT」の販売・レンタル・調査サービスを開始することを発表した。

 作業員の手で行っていた高所作業における超音波厚さ測定をドローンで行うことで、足場仮設や高所作業車などの金額コストを下げるほか、作業員の落下事故などのリスクを軽減する。

 DroneMATは、ペイロード1kgでUSB-Cの電源供給が可能なドローンであれば装着が可能。取得した厚さ測定値は無線によりAndroidタブレットへリアルタイムでA-Scanの波形とともに転送される。

 電磁超音波厚さ計EMATは、金属母体に非接触で振動を与えているため、圧電素子UTのように接触媒質(カプラント)や表面処理などは必要ない。このEMATと通信モジュールを組み合わせ、Androidタブレットの専用アプリからEMATデバイスへ測定指示および測定値の転送などを行う。通信距離は現在200m程度まで確認が取れており、ほとんどのプラント設備やインフラ点検に用いることができる。

【DroneMATの特徴】

1. カプラント不要、最大3mmまでのスルーコート測定が可能
 非接触で振動を与えることができるため、カプラントが不要。また、金属母材を直接振動させているため、表面の塗膜や金属腐食箇所でもスルーコート測定が可能。

2. 探触子の傾斜角度25度まで測定可能
 凹凸の激しい箇所や曲面などでは、ドローンの操作も加わるため測定面に垂直に探触子を当てることは難しいが、EMATは垂直から傾斜25度まで測定が可能。

3. 15分程度で操縦習得
 測定が安定しているため経験が浅いパイロットでも15分程度で操縦を習得可能。専用アプリもシンプルで、測定はAndroidタブレットの「ON」「SAVE」「OFF」の3つのボタンを順番に押すだけで、測定からデータ保存まで行える。1分で2~3ポイントのデータを取得可能。DJI Matrice 300 RTKの場合、40分程度動作するため、1フライトで80~120ポイントのデータを取得することができる。