ブルーイノベーションは、屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」に搭載するペイロードの新製品として、高性能LiDAR「測量ペイロード」の販売を1月18日より開始する。

　ELIOS 3に後付けで装脱着できる測量デバイスで、正確度0.1%、精度±6mm（標準偏差）、照射距離最大100mの性能を備え、高精度な点群データを短時間で取得する。取得した点群データは、測量ペイロードとあわせて提供する点群処理ソフト「FARO connect」を使い解析することで、より正確な点群データの取得が可能となる。

　例えば、340mのトンネルでは、従来の人が行う固定点から全体を測量する場合は6～7回の測量、約2時間が必要なのに対し、測量ペイロードを搭載したELIOS 3は、18分で作業が完了する。

参考：測量結果を3Dモデル化した動画

　光感度は従来の10倍。今まで3Dモデル化が難しかった狭くて特徴点の少ない細長い通路内などでも、正確に点群データを取得し、FARO connectにより精細な視覚表現を作成する。

　最大100ｍの照射距離とスキャン速度約130万ポイント/秒の点密度により、1回の作業（18分）で340mのトンネル（約5,100m²）の点群データの取得が可能。数日を要していた作業を短時間に縮小することができる。

　解析結果は、汎用的な拡張子（例えば .las形式）での出力に対応し、CADソフトなどさまざまなソフトへの連携が可能だ。

　点群データの取得時、標点となる反射板を現場に設置することで、解析時にその他の地形データと連携が可能となる。複数回に分けて取得した点群データを、自動で1つの3Dモデルとして出力できる。

　ブルーイノベーションは2018年にFlyability社と日本おける独占販売契約を締結し、非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性を備えた屋内用ドローンELIOSシリーズを使用した点検ソリューションの提供を開始。プラントや発電所、下水道などを中心に現場への導入を進めてきた。点検のDX化が進む中で3Dモデル化に対する要望が高まり、今回の測量ペイロードの開発・提供に至ったという。建設現場や製造業の工場など、活用の場の拡大が期待される。