2023年11月14日、アイ・ロボティクスは、光洋機械産業の協力を得てドローンにガス検知器を搭載し、遠隔操作で事故を未然に防ぐ「ガス検知ドローン」ソリューションを開発したことを発表した。実運用に向けて、同社は実際の現場での導入を検討する企業を募集している。

 あらゆる閉鎖空間(地下ピットや各種配管等)において、酸素濃度低下や有毒ガスの充満、漏洩は、労働者や作業員の安全に対して酸素欠乏症や中毒症等の深刻なリスクをもたらす要因となる。なかでも酸素欠乏症は「酸欠症」「窒息」とも呼ばれ、重大な労災事故を引き起こしてきた。近年は以前と比べて発生数、死亡者数ともに減少傾向にあるが、依然として事故が発生している。

ガス検知ドローンの概要

 今回導入するドローンは、アイ・ロボティクス独自開発のマルチパーパスドローンに、市販のガス検知器と、それを撮影するカメラを搭載している。市販品のマウントを使うことで、コストを安価に抑えることができる。

使用するアイ・ロボティクス製ドローン

ドローンの仕様

サイズ250×250×200mm
機体重量900g
ペイロード500g
飛行時間5~7分

※ドローン単体での販売は予定していない。

ガス検知器の例 (他社製も可能)

理研計器GX-3R Pro
検知範囲0~100%LEL(HC/CH4)
0~25.0vol%(O2)
0~20.00ppm(SO2)
0~5.00vol% or 0~10000ppm(CO2)
モニタリングBluetoothによるテレメトリー

操作系統と映像系統

電波帯域920MHz・2.4GHz(操作系統)、5.7GHz(映像伝送)
操作Mode1またはMode2 双葉電子工業製コントローラ
映像受信機ゴーグル(パイロット操作用)、ディスプレイ(補助者用)
ガス検知ドローン・オペレーションイメージ

ソリューションの特徴

 危険を犯して閉鎖空間に侵入する必要がなくなり、酸素欠乏症などのリスクを排除する。データはリアルタイムでの閲覧が可能。調査頻度を高くすることにより、高い精度で確認できる。

 ドローンは目視および非GPS下対応のアイ・ロボティクス独自機体。現場でのセットアップは容易で、一定の研修を受けることで誰でも操作が可能。

 スマートフォンをドローンに搭載する「高性能空間測定アプリをドローンに搭載したソリューション」等と連携して使用することで、高所作業から閉鎖空間までを一貫して点検できる。

地下ピット内の飛行デモンストレーション