2023年10月5日、Liberawareは、同社が開発した超狭小空間点検ドローン「IBIS2(アイビスツー)」が、2023年度グッドデザイン賞を受賞したことを発表した。

 IBIS2のラウンドフォルムや重心位置を機体の中心に取る全体バランスなど、屋内狭小空間における点検を遂行するために設計された目的主導型デザインが、高く評価された。Liberawareは、今回の受賞を契機にIBIS2の販売拡大を図るとしている。

 2023年6月にリリースされたIBIS2は、「狭くて、暗くて、危険な」かつ「屋内空間」の点検・計測に特化した業界最小クラスのドローン。老朽化が進むインフラやプラント設備において、人が立ち入ることのできない狭小空間を安定して飛行し、鮮明な点検映像を撮影する。

「IBIS2」製品紹介動画

 日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞とは、1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やマークの解決にデザインを生かすことを目的に、毎年実施されている。

【審査委員による評価コメント】

 人が立ち入ることができない狭小な空間での保守点検をドローンが代替し、人が直接作業する必要性を無くそうという提案である。狭い、暗い、複雑といった環境での点検の難易度は想像に難くないが、カメラやセンサーの位置の最適化・墜落リスクを考慮した丸みを帯びたフォルム、バランスを崩しづらい重心位置の設計など、目的に対してひとつひとつ課題を解決することで必然性のあるデザインを生み出している。社会インフラの老朽化は喫緊の課題であるが、維持・管理コストの圧縮と労働力不足の解決を目的とした、新たな発想による社会インフラ整備への取り組みが評価された。