2023年3月10日、兼松は、石川県加賀市と連携し、ドローンを活用した血液輸送等の実現に向けた実証試験を実施することを発表した。

 両者は「空飛ぶクルマ・ドローンを用いた地方創生を実現するための包括連携協定」を締結しており、同実証実験は加賀市が推進するAdvanced Air Mobility(AAM)の産業集積を目指す「空の産業革命」の実現に向けて実施している活動の一環として行うもので、将来のメディカルドローン配送ネットワーク実装化を目的としている。

 なお実証実験には、兼松が資本業務提携を結んでいるSkyports社がドローンのオペレーターとして参加する。

 実証実験では、加賀市内の医療機関を結ぶ配送ルート(2ルート)を設定し、ドローンによる血液等模擬品の配送を実施する。配送を通じてドローン輸送における温度変化・温度管理・配送可能数を検証する。機体は、Swoop Aero社製ドローン「Kookaburra」を使用する。

 また、同実証前のテスト飛行は加賀市が提供する「ドローンコンプレックスKAGA」において実施し、実証実験までの一連の活動が加賀市内においてすでに完了している。

実施予定日
2023年3月13日〜3月17日
※3月15日:招待者向け実証日、3月16日:荒天時予備日

飛行ルート・離着陸地点
 加賀市医療センターを中心に、「加賀温泉ケアセンター~加賀市医療センター」および「山中温泉ぬくもり診療所~加賀市医療センター」の2ルートで実施する。当該飛行は「有人地帯・目視外飛行・幹線道路の横断」を含んでおり、将来におけるレベル4(有人地帯における目視外飛行)を想定した飛行ルートとなっている。また、医療機関施設において垂直離着陸を行うことで、各医療機関内の輸送ルート動線を可能な限り短縮できるよう設定した。加賀医療センターの離着陸場は施設屋上に設置する。

各社役割
石川県加賀市実証委託事業者、地域調整、実証全般の支援、施設提供
兼松実証受託・主体事業者、全体統括
Skyports社ドローン機体提供、ドローンの遠隔運航
特別協力
NTTコミュニケーションズ北陸支社ドローン飛行における通信環境の提供