2022年9月30日、東武鉄道は、東武グループの東武トップツアーズが2022年7月より同グループ内企業を対象に開講した、民間資格「DJI CAMP」の認定スクール「東武ドローンスクール」の受講対象を、10月よりグループ外の企業まで拡大することを発表した。12月に開始が予定されているドローンの国家操縦ライセンス制度に基づく講習ができるよう準備を進めていくとしている。

 東武グループでは、今後活用分野の拡大が見込まれるドローンを積極的に活用するとしており、東武鉄道では、これまで人が歩いて行っていた所有山林の状況把握を自動飛行ドローンに代替することにより、状況把握の効率化や倒木伐採などの安全対策について早期対応が可能となった(2022年6月29日実施)。

 また、これまで点検口から目視で行っていた高架橋躯体の点検にマイクロドローンを活用し、点検精度の向上を図るとしている。
 高架橋や橋りょうなどの鉄道土木構造物の定期検査(通常全般検査)は、検査員の目視を基本としている。高架区間にある駅舎では、高架橋下に駅舎の天井等が設置してあることから、高架橋躯体を直接目視することが難しく、足場を使用して45cm四方の天井の点検口から目視検査を行う必要があった。この点検作業を17cm四方、約180gのマイクロドローンに置き換え、点検口より飛行させ点検を行うことで点検精度を向上し、鉄道施設のさらなる安全性確保を図る。
 2年に1度の鉄道土木構造物の定期検査と併せて実施するとしており、2022年度は7月27日に獨協大学前駅にて実施した。
 今後、高架橋の点検に限ることなく活用の幅を広げられるよう検討していく方針だ。

ドローンスクール(イメージ)
自動飛行ドローン
ドローンによる点検の様子
点検に使用したマイクロドローン