2022年9月7日、エアバス(本社:仏トゥールーズ)は、ヘリコプター事業を手がけるヒラタ学園と、関西および周辺地域において、電動垂直離着陸機(eVTOL)を活用するエアモビリティサービスの開発に向け連携することを発表した。これによりエアバスは、同地域における航空事業の強化とエアモビリティの国際的なネットワークを拡大するとしている。

 今回の合意によって、エアバスが開発する「CityAirbus NextGen」(シティエアバス・ネクストジェン)の商業輸送サービスを開始するために重要な要件の検証に取り組むとしている。
 CityAirbus NextGenは、エアバスが2021年9月に発表したeVTOLプロトタイプだ。航続距離は80km、時速120kmの巡航速度を備え、都市部やそれ以外の地域におけるさまざまな運用に対応する機体として開発された。初飛行に向け、システムの試験を行うテストセンターの建設を開始している。

 両者の共同プロジェクトは、大阪府の「空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業補助金」対象事業に認定されており、関西圏における最適な飛行ルート、運用構想、安全な運航に必要な装備品に関する検証を、今年末に予定されるヘリコプターによる検証飛行により実施する予定だという。H135ヘリコプターを使用し、CityAirbus NextGenの運用形態をシミュレーションしながら都市環境におけるeVTOLの安全運航に必要な最先端の航法および通信技術の実証実験を実施する。

 エアバスとヒラタ学園は、都市でのeVTOL活用にとどまらないエアモビリティサービスの実用を目指し、航空医療サービスから商業航空輸送、エコツーリズムまで、さまざまな場面での運用を念頭に、CityAirbus NextGenによる先進的なサービスの実現に取り組むとしている。