2022年9月8日、古河電気工業(以下、古河電工)とグループ会社の古河産業は、島根県邑智郡美郷町の「林業イノベーション実証事業」において、特殊大型ドローンを活用して苗木や資材を急傾斜地などに運搬する実証実験を行うことを発表した。また、町内の林業従事者を対象に操縦オペレーターの育成支援も同時に行い、自治体内での長期的な運用体制構築を目指すとしている。
林業従事者数は年々減少し、特に若者と女性の就業割合の低さが課題となるなか、労働負荷が高い作業の一部をドローンが代行することで林業の省力化が期待されている。美郷町においても、林業従事者の負担軽減と苗木植栽の作業効率向上により、持続可能な中山間地域づくりを目指している。
古河産業ではドローンを活用した検査・測量・運搬などの支援事業を展開しており、2020年11月に古河電工と美郷町が締結した包括的連携協定のもと、今回の協業に至った。
実証実験では、古河産業が提供する最大積載重量49kgの特殊大型ドローンを用いて、苗木や資材(架線集材用および獣害対策用)を急傾斜地・遮断地域・未舗装地域などへ運搬する。現地での飛行試験を通じて、苗木や各資材の運搬に適した機体カスタマイズ・梱包仕様開発・運搬手法構築を進めるとしている。
また、町内の林業従事者を対象に操縦オペレーターの育成支援も同時に行うことで、自治体内での長期的な運用体制構築を目指す。
今年度の実証実験結果を踏まえ、将来的には自動化や遠隔操作による目視外飛行や林業以外の重量物運搬、ならびに災害時の救援物資運搬などへ応用していく計画である。