2022年7月14日、ACSLは、3タイプの産業用ドローン「PF2-AE(Advanced Edition)」の受注を、2022年8月より開始することを発表した。国産の中型プラットフォーム機体「ACSL-PF2」をより使いやすくセキュアにカスタマイズした機体となる。

 種類は、LTE通信標準搭載の物流用途に特化した「PF2-AE Delivery(物流)」、一般的な可視カメラや赤外線カメラによる点検を想定した「PF2-AE Inspection(インフラ点検)」、LTE通信による目視外飛行にも対応可能な「PF2-AE Disaster Relief / Patrol(災害/警備)」の3タイプ。
 また、基地局ソフトウェアとして、小型空撮ドローンSOTEN(蒼天)と同様の専用アプリケーション「TAKEOFF」を搭載することで、より直感的な操作が可能となっている。

「PF2-AE(Advanced Edition)」

 中型プラットフォーム機体のACSL-PF2は、ニーズに合わせて機体をカスタマイズすることで、さまざまな用途で活用が検討されてきた。その中で、課題に対してどのような機能やスペックが必要かわからない、どういったドローンがよいか検討に時間やコストがかかる、他の用途に使うのに都度カスタマイズが必要となることなどの課題があったという。
 同社は実証実験を重ねることで、物流、インフラ点検、災害、警備の分野において、より産業用ドローンの社会実装を推進するために必要な機能やスペックが明らかになってきたことから、今回3タイプの機体を発表するに至った。

 産業用ドローンは、少子高齢化に伴うさまざまな社会問題解決のためのロボティクス技術の一つとして注目されており、今後我々の暮らしにますます密接に関わってくるものと予測される。そうした中、2020年9月、政府は、「調達はセキュリティが担保されたドローンに限定」し、「既存導入されているドローンについても速やかな置き換え」を実施する方針を公表しており、セキュアなドローンへの需要が高まっている。また、2020年の改正航空法に基づき、2022年6月20日より無人航空機の登録制度が開始され、ドローンを取り巻くルールが整備されてきている。
 PF2-AEは、同社がソースコードレベルから独自開発したフライトコントローラを搭載し、通信を暗号化することで情報漏洩の可能性を低減。また、リモートIDモジュールを搭載し、無人航空機の登録制度にも対応している。

PF2-AE Delivery(物流)

 LTE通信標準搭載の物流用途に特化した機体。

内容物重量1.5kgの搬送が可能
送信機2台により、離陸・着陸地点での安全な監視が可能
マーカー着陸機能により着陸マットを認識し精密に着陸
LTE通信を用いた映像伝送、テレメトリ伝送により、見通しの悪い場所でも通信を確保(目視外飛行が可能)

▼ PF2-AE Delivery
https://product.acsl.co.jp/product/post-1526/

「PF2-AE Delivery」

PF2-AE Inspection(インフラ点検)

 一般的な可視カメラや赤外線カメラによる点検を想定した機体。

4種類のカメラが搭載可能(可視カメラ、赤外線カメラ、ズーム機能搭載の可視カメラなど)
同一ジンバルで4種類のカメラ交換が可能、用途に合わせてユーザーが簡単に付け替えできる
水平方向360°の衝突回避機能を備える

▼ PF2-AE Inspection
https://product.acsl.co.jp/product/post-1532/

「PF2-AE Inspection」

PF2-AE Disaster Relief / Patrol(災害/警備)

 LTE通信による目視外飛行にも対応可能な機体。

PF2-AE Inspection と同様に4種類のカメラが搭載可能(可視カメラや赤外線カメラ、ズーム機能搭載の可視カメラなど)
同一ジンバルで4種類のカメラ交換が可能、用途に合わせてユーザーが簡単に付け替えできる
LTE通信を用いた映像伝送、テレメトリ伝送により見通しの悪い場所でも通信を確保(目視外飛行が可能)

▼PF2-AE Disaster Relief / Patrol
https://product.acsl.co.jp/product/post-1513/

「PF2-AE Disaster Relief / Patrol」

4つのカメラを付け替え可能なジンバル

 PF2-AE Inspection、PF2-AE Disaster Relief / Patrol は、要望に合わせて4種類のカメラから選択が可能。同一ジンバルで、用途に合わせて簡単に付け替えができる。


 なお、ACSLは、2022年7月20日~7月22日に東京ビッグサイトで開催される「第8回 国際ドローン展」において、PF2-AEを展示する予定である。

 また、8月2日、16日に、法人を対象にPF2-AEおよび自社の国産ドローンについてオンライン説明会を開催。ドローン物流、プラント点検、煙突内部点検における実証実験(PoC)を手軽に行えるPoCパッケージについても紹介するとしている。