2022年6月15日、スイスのユーブロックスは、超小型のGNSS(全地球測位システム)モジュールシリーズ「MIA-M10」を発表した。

 超低消費電力のu-blox M10 GNSSプラットフォームをベースにしたMIA-M10は、サイズに制約のあるバッテリー駆動型資産追跡デバイス向けに、電力効率の高いソリューションを提供する。人やペット、家畜の追跡や産業用センサー、消費財などへの使用を想定している。

 MIA-M10のサイズは4.5mm×4.5mm。GNSS性能を低下させることなく、超低消費電力を実現している。パワーセーブモードでは測位精度と消費電力のバランスを最適化することにより、バッテリー寿命を倍増することができる。

 u-blox M10モジュール同様、GPS、Galileo、BeiDou、GLONASSの4つのGNSS衛星群を同時受信。高いRF感度を備え、小型アンテナ搭載のソリューションや、都市の深部など信号が微弱な環境で動作するデバイスに堅牢な測位性能を提供する。

 インターネット経由で軌道データを配信するアシスト型GNSSサービス「AssistNow」により起動時における初期測位時間を短縮。低速の衛星データのダウンロード完了を待つことなく衛星の追跡が可能である。また、超長期的な電力自給を必要とするアプリケーションでは、消費電力の大きな位置計算をクラウドにオフロードすることによってIoTアプリケーションの寿命を延ばす「CloudLocateサービス」を使用できる。
 外部コンポーネントを必要としないため、エンジニアリングとテストの労力およびコストとリソースを削減し、市場投入までの期間を短縮する。

 MIA-M10シリーズは「MIA-M10Q」と「MIA-M10C」の2つの製品バリエーションで提供される。

 MIA-M10Qは、サイズの制約が極めて厳しいバッテリー駆動型追跡デバイス市場をターゲットとしている。小型で低消費電力、高性能であることから、子供や高齢者、ペット、家畜の居場所や安否を見守るためのウェアラブルデバイスや、小型ドローン、カメラ、バイク・コンピューター、バッテリー駆動型センサーなど、動きの激しいアプリケーションに適している。

 MIA-M10Cは、アクティブアンテナまたはカスタムアンテナ回路とモジュールを柔軟に組み合わせる必要がある顧客を対象としている。