2022年6月8日、Flight PILOTは、オリジナル ジェネラル・パーパス オペレーションシステム(以下、OS)と運航管理システム(以下、UTM)を同時開発したことを発表した。このOSを搭載したドローンを用いて、UTMにより自動飛行ルートを作成し、ドローンを制御することに成功した。

 UTMは、電通およびリメディアと開発したもので、現在共同で特許出願中。OSは、ドローンの精密な姿勢制御や誘導を行う基本的なソフトウェア群で、一部他社製のドローンにも対応する。搭載したドローン同士やUTMとの詳細な相互データ通信も可能。すべての開発が国産で、国の定める無人航空機セキュリティーガイドラインに準拠している。

 基本性能など各種カスタマイズが可能。専用FC(ハードウェアによる姿勢制御装置)は不要で、ラズベリーパイ(ワンボードコンピュータ)などのコンピュータにインストールが可能なため、場面に応じた機器類を選択できる。安全性・透明性が高く、飛行禁止エリアは飛行できない仕組みや、通報システムも組み込まれる。

 同OSは、SLAM技術に対応しており、自己位置推定しながら飛行が可能。ビジュアルSLAMに関しては標準装備する予定である。OSと運航管理システムUTMはさまざまな場面で多数のトラフィックを管理することができ、気象条件や飛行形態に応じたルートを自動で設定する。他社のUTMとも連携可能。
 OSはドローン以外にも搭載することができるため、ロボットやクルマ、船などでの使用も想定しているという。

 日本では急速にドローンの普及が進んでいるが、外国製品のシェアが高い状況にある。そのため、現在のスタンダードである外国製品に合わせる形で、実質的にルール構築がなされている。昨今の国際情勢をみると、有事の際に国内製品を整備して標準化することが望まれており、今回開発したOSは国産ドローン開発の後押しになるとしている。

 同社は福岡市の協力で、同市内で自動飛行試験を2022年8月頃に実施する予定。非GPS環境下での飛行、自己位置推定飛行、UTMとの相互連携などを目標に実証実験を行うとしている。また、OSα版を10月頃に提供する予定である。

飛行ルート作成イメージ(実際の飛行ルートとは異なる)