2022年6月2日、テラドローンは、グループ企業のTerra Inspectioneeringと共同で、ギリシャの船級認定点検業者NAVALTECHが保有する石炭や穀物などの原材料を運搬するばら積み貨物船(ドライバルク船)に対して、超音波検査が可能なUTドローンを活用して点検を実施したことを発表した。

 今回の主な点検箇所は、ホールド内のホールドフレーム部分とクロスデッキ裏の内部材。従来は高所作業車や足場を設置して点検していた。

 UTドローンによる点検は安全性を高めるだけでなく、従来はドック(船を建造または修理するために構築された施設)に入って実施していた点検業務を、ドックに入港することなくできることから、点検時のコストや入港コスト、工数を大幅に削減するという。

 機体の重量は、安全飛行のため約2.5kg。超音波検査では、測定部と探触子(超音波を発生・受信する振動子を組み込んだセンサー)の間に接触触媒(カプラント)が必要となるが、UTドローンはオランダの特許を取得した接触触媒ディスペンサーを搭載しており、飛行中でも探触子にカプラントの供給が可能。そのため、効率的に検査を進めることができた。また、3つの高精度カメラにより、飛行中のドローンからの映像やUTグラフを地上から即自的に確認できた。